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ラブカルチャースクール 3
第26章 Lesson ご褒美
あぁぁぁん! やっぱりセイジのこの甘い優しさ大好き!

この想いを声を大にして叫びたいけど、出来ないもどかしさに心の中で地団駄を踏む。

それと同時に、この優しさを他の三人にも振り撒かれるかと思うと、厄介な嫉妬心もニョキニョキと育ち始める。

セイジは、『ご褒美レッスン』のこと、もう知っているのかな?

私たちが希望を出しても、スケジュールが合わない講師は選ばれない。

でもセイジがその時、出張とかもなくてスケジュールが空いていたら――――決めるのはラブカルコンピューターなの!?

そこにセイジの意志は関わらないのだろうか?

もしコンピューター判断でセイジが私以外の誰かと『ご褒美』のセックスをするとしたら、冷静でいられる自信なんて情けないけど、全くないよ。

公然とセイジと愛し合える機会を仲間とはいえ、奪われてしまうのは辛い――――。

こんなこと思ったら講師失格だけど、セイジのことになると理性より感情がどうしても先立ってしまう。

気持ちを落ち着かせようと、セイジの淹れてくれた紅茶を口の中にゆっくりと注ぎ込み、目を瞑る。

一口含んだ瞬間、舌を包むまろやかさと、上品な風味が鼻腔まで擽ってきた。

高級茶葉を使ってくれているから美味しいのは当たり前のようで、茶葉の特性をキチンと活かせるかかは淹れる人の腕次第だ。

セイジはその腕をちゃんと持っているし、何より相手のことを思って淹れてくれる。

ギスギスしそうになっていた気持ちが、一気に中和されていく――――。

「ふふ……美味しい」

「そう? 良かった」

鼻息が荒かったチワワの機嫌が落ち着いたのをセイジもきっと気付いていたと思うが、特に何も言わずに優しく頭を撫でてくれた。

弾んだ会話がなくても、穏やかな空気が流れるだけの時間も愛おしい。

こんな時間をセイジと過ごせることが、今はとっても贅沢なのだ。

二人の未来を守るためなら、目先の苦難くらい受け入れていかないといけない――――。


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