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ラブカルチャースクール 3
第26章 Lesson ご褒美
キュイィィィ――――ンッ!!

瞬間、私のラブメーターも一気に最高レベルを振り切り、胸のときめきも超音波並みに高鳴った。

激しい心の高まりが伝わる様子はなく、セイジは指先で私の頬の輪郭をなぞるように触れてくる。

それが単純に嬉しくて、幸せで――――気持ちが良くて、目を細めてセイジの指に意識を集中させた。

これこそ私にとって『ご褒美』みたいなもんなんですけど!

個人的に大好きな人にこんな風に触れて貰えるって、レッスンを抜きにしても凄く特別なことだよね。

当たり前だと思っちゃ駄目だ。

だから例え今度のレッスン相手がセイジじゃなかったとしても、当然のこととして受け入れないと――――。

セイジに撫でて貰いながら、隙あらば芽生える欲望を何とか宥めていく。

「出張はやっぱり仕事だから、楽しいって言うよりは大変かな」

頬撫でが気持ち良くて、ついつい黙って堪能していたら、セイジが不意にさっき振った質問に答えた。

「え、セイジでも大変だって思うの?」

講師の仕事が大変なのは解っているのに、特別講師レベルだとなんなくこなしてしまう感覚に陥っている自分がいる。

最近人として超越している人に囲まれていたから、自分の基準値がズレていることに、はっと我に返った。

「ごめん! そうだよね。大変に決まっているよね!」

特別講師だって同じ人間なのだから、それこそなんでも出来て当たり前じゃない。

思いっきり反省して肩を窄めると、セイジは私の頬を包むように手を添えたまま話を続けた。

「ははは、琴海が謝ることじゃないよ。楽しいこともなくはないけど、大変と感じる方が強いかな。それに……」

話を途切ったセイジの手に、自分の手を重ねる。

「それに?」

見詰め返すセイジの表情が神妙になり、私の背筋に微かな緊張が――――

「琴海が近くに居ないのが、一番しんどいかな」

「っ!?」

ボッフンッ!! 

――――緊張が走るかと思いきや、いきなり投下されたセイジの甘々爆弾に、脳みそと心臓が一気に吹き飛ばされた。


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