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ラブカルチャースクール 3
第26章 Lesson ご褒美
え、えぇ!?
そんな深い意味に取ってもいいのかな?

でもそれって自惚れじゃないかな――――。

それでも、自惚れたい。

せめてこの数分の間だけでも、自分の心の中だけに閉じ込めておくから、このセイジの行為に酔いしれることを許して欲しい――――。

セイジが描く左手の薬指の輪郭に、未来、そこに在るべきものの存在を思い描く。

それがいつになるかは分からないけど、セイジが約束をしてくれているみたいで凄く嬉しくて、泣きそうになるくらい嬉しかった。

あぁ、今すぐ抱き付きたい。

同じように私も、セイジの左の薬指を舐めたい――――。

そのセイジの左手は私の口を塞いでいて、舌先が届かない。

今セイジへ出来ることって、何だろう?

私もせめて、行動で気持ちを伝えたい――――。

薬指を舐めることも、抱き付くことも出来ない。

唯一自由が利くのは、右手だけ。

こうやって僅かでもセイジと居られること、触れて貰えることが凄く幸せで気持ちが良い。

セイジにも同じように、気持ち良くなって欲しいから――――。

私は右手をセイジの太腿を這いずらせ、その付け根と手を忍ばせる。

それはほんの僅か数秒――――セイジが咄嗟に腰を引いた。

「まったく、琴海は油断も隙もないな」

セイジは私が何をしようとしたのか、察したのだろう。

ちょっと困った顔をしている。

『だって、だって! 私もセイジに気持ち良くなって欲しいもん!』

言葉が発せられない代わりに、心の叫びを涙目で訴えた。

「そんな顔されたら、我慢利かなくなっちゃうよ」

『なっちゃって! 我慢なんかしないで!』

セイジの掌で阻まれて、ふごふご鼻息が荒いだけに聞こえるけど、必死に気持ちを吐き出す。

興奮して顔が熱くなってくるのが分かる。

きっと私の顔は、茹蛸みたいに赤くなっているだろう。

だって私の顔を見て、セイジが苦笑いをしているもの。

イケメンの苦笑いって、素敵!

――――なんて、欲情していると同時にときめいたりもして、セイジが苦笑いしているを見詰めながら右手を再びこっそりと、『目標物』に忍ばせていく。


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