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ラブカルチャースクール 3
第26章 Lesson ご褒美
二十センチ――あと十センチ――――。

指先が目標に到達するまで、鼻息を荒くしたままセイジの注意を引き付ける。

よし、もう少しだ!

約五センチくらいまで近付いた所で、私は勝利を確信した。

――――と、思ったのに!

「だから、ダ~メだってば」

私の指先の気配を察した――――いや、こうなることを分っていたと言わんばかりに、セイジは片目を瞑って、甘い声で躾てくる。

「ひょ、ひょっほふぁふぁふぁ」

そんなセイジに、『ちょっとくらい!』と負けじと粘った。

諦めようとしない私の意固地さに、セイジは参った感じで両目を閉じて天を仰ぐ。

やった~! 触らせてくれるかも!

そのセイジの様子に、私の中で勝利の鐘が高らかに鳴った。

「もう……俺だって……」

「ふご? えっ! むぐぅ……」

――――それはあっという間だった。

何か言いかけていたセイジは、私の口と左手を捉えていた手をようやく放したと思ったら、その手で瞬く間に私の頬を挟み、傾けた顔を一気に寄せて今度は唇で口を塞いできたのだ。

視界に入るのは、セイジの長い睫毛と閉じられた瞼――――。


『キス』――――してくれた。


突然で変な声が出ちゃった――でも、そんなの気にしない。

やっとセイジに直接触れることが出来た。

今はセイジの唇の感触と熱に浸ろう――――。

大きな両手でガッチリと頬をロックオンされ、力強く唇を押し当ててくる。

頬を包み込む掌と、触れ合う唇が凄く熱い――――。

セイジの甘くて優しいキスも好きだけど、激しく貪られるキスも凄く好き。

だって自分を求めて貰っているように感じられるから――――。

勢い良く唇を割り、凹凸を嵌め込むように唇を重ね合わせると、セイジは私の中に舌を挿し込んできた。


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