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第26章 Lesson ご褒美

挿し込まれた舌は口の中をクルッと旋回すると、私の舌の根を引き抜こうとするみたいに力一杯絡みつく。

「んっ……んっく……」

まだ序の口な筈なのに、セイジの激しい舌の動きで息が詰まりそうになる。

だけど私だって大人しくはしていられない――――。

折角セイジが、私の願望に応えてくれたのだから、同じくらい――――いや、それ以上に気持ちを返したい！

舌と舌で抱き合うように絡ませながら、顔の角度を何度も変えて唇を激しく食むセイジの動きに合わせていった。

セイジの背中に両腕を回し、ギュッとしがみ付く。

頬を挟んでいたセイジの手も、私の後頭部と背中に片方ずつ回される。

ロックオンが解放され動き易くなった分、自分からもセイジの唇に食い付かんばかりに咥え込んだ。

「あ、んん……はぁ……」

クチュ、チュプ――――部屋の中に響くのは、私の吐息と互いの唇の隙間から洩れる水音だけだった。

セイジと奏でるこの旋律が凄く心地良くて、聞き入ってしまう。

ひたすら揉まれる舌と唇が蕩けそうだ――――。

いつになく激しいセイジの愛撫に口の中は止めどなく唾液が溢れ、口端から否応なしに漏れだし、顎を伝って首筋を濡らしてからシャツに吸い込まれていく。

全身は熱く火照り、肌が汗でしっとりとしてきた。

疼きっぱなしの下腹部の奥は、まるで小さな心臓があるみたいにドクドクと脈を打ち、トロリとした液体を放出させている。

あぁ――――このまま体中から水分が溢れて、体液の海が出来るんじゃないかしら。

でもセイジとなら、どんな海でも一緒に溺れていたいな――――。

セイジの甘い唇の感触に浸りながら、深く温かい水の底に沈んで行く想像が浮かぶ。

「はっ……はぁぁ……セイ、んっ」

甘い熱に魘されながら愛しい人の名を吐露しようとしたら、それは当の本人の口の中に吸い込まれていく。

呼吸もしにくい激しいキスに息苦しさを感じながらも、幸せで――――胸の奥がキュッと痛くなった。