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ラブカルチャースクール 3
第26章 Lesson ご褒美
最後に教室を出た私は、先に歩く三人を追うように廊下を早足で進んだ。

私よりタッパがある三人に追いつくのは結構容易ではなくて、三人の数歩後の距離を歩きながら会話を拾っていく。

今回のレッスンでテンションが一番高いのは、やはりジュリだった。

「あぁ~担当誰かな~? 久々に本格的な気持ちの良いレッスン出来るかと思うと、燃えて来るわね!」

うわぁ。女豹ジュリ様、ブレない肉食です。

それに対して、理性のカレンは、

「安心出来るレッスンだろうけど、ただ単に一息入れるだけじゃないでしょ。今回のことを次に繋げていってことじゃないの」

うおうっ! 確かに。
いくら今回が『ご褒美』だとしても、生徒の時と違うものね。
カレンは、志しが高いな。

そして体育会系なサナは、

「確かに気を楽にと言われても、簡単にはいかないけどさ……」

ん? けど?

「……ちょっと、楽しみでもある」

何と! サナはそう来たのか!
でも基本、サナは前向きな発言が多いもんね。
サナの考え方、私も好きだな!

「でっしょ~! 折角だもの楽しまないとね!」

三人の後ろでうんうんと頷いていると、ジュリも今の意見が嬉しかったらしく、同士と言わんばかりにサナの背中を叩く。

「痛っ!」

「じゃぁ後で、誰が担当だったか、どんなレッスンだったか報告会ね~!」

「え……」

ジュリは勝手に報告会を決定して、ハイヒールで見事なスキップをキメつつ先に一足先に行ってしまい、

「もう、いつも勝手ね」
「だね」

カレンとサナは呆れながらも満更でもなさそうに、啞然として立ち尽くす私を残してレッスン室へ向かって行った。

そんな――――セイジとのレッスンだったら、微妙なんですけど!!



複雑な気持ちを抱えたまま、レッスン室のドアを恐る恐る開ける――――。

「失礼します……」

中を覗くと、まだ誰も居なかった。

「来るのを待つのね……」

この状況が、生徒でラブカルに通っていた時のような記憶を蘇させる。

もし、最初の担当がセイジじゃなかったら――――私は今ここに、居たのかな?

懐かしさと、希望と、不安が入り混じった、何とも言い難い感覚が胸にぐにゃりと渦巻きだす。


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