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ラブカルチャースクール 3
第26章 Lesson ご褒美
このマサキの温かくて逞しい胸の中に包まれて過ごせる人って、現れるのかな?

『掟改正』したなら、マサキにもそういう相手と巡り合って欲しい――――。

トクトクと穏やかに響くマサキの心音に耳を傾けながら、将来現れるかもしれないマサキの恋人を想像する。

うん、そうだ――――ラブカルは女性の生徒しかいなくて、女性の幸せを願ってくれているけど、それで男性だって幸せになれるってことなんだよね。

幸せの連鎖が広がって行くことを考えたら、凄く嬉しくなってきた。

――――などと、色々想像を広げていたら、急に身体が宙に浮いた。

妄想が激し過ぎて、トリップしたのか――――と思いきや、そんな訳ない!

「失礼」

「……っ!?」

現実は、マサキに横抱きされていたのだった。

早々ないシチュエーションに、別の意味で思考がトリップしそうだ。

「あ、あの、マサキさんっ!」

「驚かせちゃったかな? ごめんね」

「あ……いえ、こちらこそ……」

いつまでもマサキに抱き付いているだけで、先に進まない私の背中を押したというか、持ち上げてくれたんだ。

講師になってまで手間を掛けさせてしまったことに申し訳なく思うと同時に、マサキにのレアな行動にドキドキしてしまったりもする。

流石特別講師は、格が違う――――勇気とキュンを同時にくれるんだもの!

これは新人の私たちには、まだ辿り着けない領域だわ。

それにマサキだと、漏れなく『安心感』まで付いてくる!

凄い! これは凄いですよ、奥様方!

興奮の余り、声にならないセールストークを心の中で思いっきり叫ぶ。

マサキの腕の上で勝手に感動に浸っている間に、マサキは黙々とベッドに私を運んでいた。

ポスンと、背中に然程柔らかくないマットの弾力を感じつつ見上げると、少し乱れた前髪を垂らした隙間から、優しい眼差しが降り注がれる。

その優しい瞳を見詰め返すとマサキは穏やかに微笑み、伸ばした人差し指を私の顔に近付けてきて――――そっと唇に押し当てた。


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