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ラブカルチャースクール 3
第26章 Lesson ご褒美
「ふぁっっっ!?」

そして私の小さな不安など、一気に吹き飛ばされていく。

あああああああ!
マサキ師匠!! 
何かパワーアップしておりませんか?
それとも、隠していた能力を全開放してくださっているとか!?

ただでさえテクニックも凄腕なのに、メンタル面も匠に決められたら、このレッスンが終わる頃には私の魂は、確実に身体から切り離されてしまっているに違いない。

もう無意識に組んだ両手を胸元に置いて、マサキに願いを乞う。

「お手柔らかに……お願い致しますぅ」

ドキドキして薄っすらと汗まで搔いている私の姿に、マサキは一瞬目を見開いてから、楽しそうに微笑んだ。

「そんな風に言って貰えて光栄だけど、俺は琴海さんの担任程のテクニックは持っていないから、肩透かしだったらごめんね」

「とんでもございません!!」

確かに男性講師内でも、『担任様』は一目置かれているのは分かるけど、あの御方が特別なだけであって、マサキだって凄腕なのに本気で謙虚に言っているのだろう。

だがしかし――――謙虚だけど、テクニック一つ一つは入念で丁寧で、効果抜群ではあることは自覚はあるのだろうか?

思わず言ってしまいそうになるのを堪えて、眼力でジッとマサキに訴える。

きっとマサキになら、伝わるよね――――。

「琴海さん、ありがとう。期待に応えられるように、努力するね……」

「え……」

――――伝わってなかった!?

マサキにこれ以上努力されたら、私は魂だけじゃなく、身体はバターになっちゃいますぅぅぅ!

「あ、いえ……マサキさん……」

「しぃ……」

「むひゅっ!」

いつまでも喋る口を封印するように、マサキの温かくて太い指先が、再び私の唇に宛がわれた。

それがまるで合図のようにマサキの唇がゆっくりと近付いてきて――――額にそっと、押し当てられる。

「むぐっ……」

唇の柔らかい感触と温もりと、何とも言い難い感覚が額から全身にじんわりと広がっていく感覚に、塞がれた口の中で空気が膨張した。


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