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第26章 Lesson ご褒美

始まった！

早々に変な音を発してしまって恥ずかしくなったが、そんな感情はマサキの優しいキスにふんわりと包み込まれいく――――。

額から始まったキスは、顔中にゆっくり、じんわりと繰り返される。

マサキの唇の感触の余韻は、自分の顔の輪郭を改めて教えてくれているみたいだ。

その感覚は、自分がここに居ることを再認識すると共に、認めて貰っているようにすら思えてしまう。

そんな風に自惚れてしまいそうなくらい、マサキのキスは凄く居心地が良い――――。

マサキのキスに顔全体が刺激されてか、ほのかに肌が火照ってきた。

血行まで良くなって、フェイシャルマッサージ効果も抜群である。

もしこんなことを姉さんに言ったら、マサキフェイシャルを受けたいとか言いだすかな？

そんなこと不意に思った瞬間、ホズミの頬っぺにチューしているマサキを想像してしまった。

いや、これはないな。うん、流石に――――。

「ない……」

自分の下らない想像に頭の中だけで突っ込みを入れたつもりなのに、つい声に漏れでていたようで、聞き逃す筈がないマサキがキスを止めて顔を上げた。

「ん？　何か変だったかな？」

「あっ！　違います。気持ち良くて……夢見心地になってるんです……」

凄く苦しい言い訳だけど、嘘じゃない！

変な想像をしていた気まずさもあって、顔が一気に熱くなる。

顔を真っ赤にして少し汗ばむ私の額を、マサキは手の甲でそっと拭った――――。

見下ろしてくるマサキの眼差しは、出会った頃から変わらず優しい。

そして声は、いつもセクシー。

「琴海さん、男って単純な生き物なんだよ……」

「へ？」

そのセクシーボイスが謎の発言をしたものだから、頭上にクエスチョンマークがいっぱい浮かんだ。

「マサキさん？　それは……あぁっ！」

マサキの言葉の意図が気になって問い掛けようとした途端、胸元から突如と刺激が衝き上がってきた。

「マサ……あ、あぁぁっ！」

刺激の発生原因は私の小さな胸をグイグイと捏ねる、マサキの力強い掌である。

まだ揉み始めたばかりなのに、確実に甘い痺れが全身に広がっていく。

いよいよ『ラブカルの揉み職人』ことマサキの真髄――――しつこいくらい入念な愛撫攻めに突入したのであった！！