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初花凛々
第12章 空は瑠璃色
悶々としたまま時間だけが流れ、すでに時刻は18時を回るところだった。


_____今日からもしかして練習始まるのかなぁ?


期待と不安が入り混じりながら、凛は今日幾度目にもなる視線を営業部へと向けた。


すると、一人の女性と目があい、凛は目線をフイと逸らしてしまう。


_____あ。今のは感じが悪かったかもしれない……。


凛が思わず目を逸らしてしまったのは、昨日から凛を悩ませる存在となった営業部の如月。


「胡桃沢さん」


如月はコツコツとヒールを鳴らし、立ち尽くしたままの凛に話しかけてきた。


一体何を言われるのか……、凛は身構えて、如月の次の言葉を待った。


「……ねえ、胡桃沢さん。今日このあと暇?」

「へ?」


予想を大幅に外れた如月の言葉に、凛は拍子抜けした。


「……いや、えっと」

「合コンがあるの」


それなら、益々行きたくないと凛は思った。


_____昨日の今日で、この人は何を考えているの?


凛は理解に苦しんだ。


「いいじゃん。彼氏いないでしょ?」

「や、いないですけど……」

「やっぱりね」

「やっぱり、って……」

「だって胡桃沢さんて、綺麗だけど色気がないもの。そういう内面から出るものって、どう取り繕っても無理だよ」


_____私、この人と話していると、自分のことを嫌いになる。


凛は如月と話して二回目で、そう確信した。


「……このあとは用事があるので、行けません」


凛はキッパリとお断りをした。けれど如月は、凛のことを馬鹿にしたいのか、なんなのか。


「用事ってなに?」


と、しつこい。


思わず漏れそうになるため息を飲み込むのに、凛は必死だった。


「今日は先約ありだからダーメ」


そんな話をしていたら、いきなり後ろから肩越しに腕を回された。ふわっと香るそれは、昨夜から満遍なく味わったもの_____そう、麻耶だ。


「麻耶……?」

「話合わせとけ」


凛は耳元で囁かれ、その吐息と声に、思わずビクッと肩が跳ねた。


「……須田くん」


如月はバツが悪そうに、頬を引きつらせた。


「凛は今日俺と約束してんの。だから他当たれ」

「……わかった」


凛は驚いた。きっと蛇のようにしつこく攻撃されると思ったのに如月はアッサリと退散したから。






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