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初花凛々
第14章 水魚の交わり
お風呂上がり、麻耶の家まで歩く。手を繋いで。


凛は夏の夜空を見上げ、冬よりもずっと空を遠くに感じた。


「あれー?もしかして須田ー?」


麻耶の家の近くにはコンビニがある。その前で、そう声をかけられ麻耶と凛は脚を止めた。


その声の主は女性。ボディラインがくっきりと浮き立つような、黒のホルターネックタイプのワンピースを着ている。ふわっと花のような香水の香りを身に纏って。


その出で立ちと香りから、凛は一瞬、椿かと思った。


「え、何してんの」


マジビビったし、と、麻耶はその女性に言葉を返した。凛は、繋がれていた手をそっと離す。


「仕事でここらへんに来たから、そういやここらへんに須田の家あったよなーとか思って。でも留守だったからー」

「ついでか」

「そ、ついでなの」


何が面白いか凛にはわからなかったけど、麻耶もその女性も楽しそうに笑っていたので、凛も合わせるように、口元を緩ませた。


「彼女?」


その女性は、麻耶の隣にいる凛を見て問う。


「違う」


麻耶は否定した。


実際、凛は彼女ではない。だから否定するのは当然のこと。けれども先ほどから恋人のような振る舞いをしてきたことを思い出し、凛はそれを恥ずかしく思った。


恋人みたいだ、なんて、舞い上がっていた自分が恥ずかしい_____と。


「そっか、なら安心した」


麻耶の返事を聞いて、その女性は意味深なことを口にした。


「あなたも須田には気をつけた方がいいよ?マジになったら負け。泣かされるよ」


クスッと笑い、凛の方を見て笑った。


「だから俺たちそんなんじゃねーから。変なこと言うなよ」

「なにそれ〜。あたしにしたみたいなことはしてないってこと〜?」


語尾を伸ばす話し方と、花の香りがやけに鼻について、凛はここからどうにか逃げ出したいと思った。


「あ……、麻耶、私コンビニで買うものあるから中行ってるね」


我ながら上手な言い訳だったな、と思いながら、凛は麻耶の返事も聞かずにコンビニへと向かった。






「……はぁ」


無意識に漏れるため息。けれどため息の原因は凛自身にもわからない。わからないからこそ、気持ちが悪い。


もうあの場からは逃げ出したのに、まだ花の香りが残っている気がして、凛はまた、ため息を吐いた。




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