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初花凛々
第14章 水魚の交わり
これは、先へ進むよという麻耶からの合図。


凛はやはり、期待した。


麻耶は耳たぶや首筋に口付けながら、指を凛の下腹部へゆるりゆるりと伸ばして行く。


_____あぁっ!


凛は心の中で叫んだ。


麻耶の指は、凛の敏感な突起周辺へ触れた。


その指は突起を避けながら、円を描くようにして、もどかしく動く。


_____そこじゃなくて、もっと、もっと_____!


凛はそこに触ってほしくて、でも言えなくて。腰が浮いてしまう。


けれども思うように触れてくれない麻耶の背中に、凛は腕を回し強くしがみついた。それはほぼ、無意識に。


「んんっ」


ついに望む場所へ麻耶の指が触れた時_____


凛の身体は、弓なりに跳ねた。


はぁ、はぁとした凛の吐息は麻耶の理性を刺激する。こんな状況で、年頃の男が性欲を抑えながら事に及ぶのはまさに蛇の生殺し状態ということを、凛はまだ知らない。


麻耶の指は、既に皮を脱いだ凛の突起をこしこしと撫でた。その度に凛はつま先まで、ピリピリと電流のようなものが流れる気がした。


その時、凛は自分の身体のとある異変に気付く。


「ねぇ、麻耶っ……」


凛は不安になった。


「なんか冷たいの……」


それは膣からの分泌液による、所謂"濡れる"ということなのだが、凛にとっては初めての現象だった。

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