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初花凛々
第14章 水魚の交わり
「凛が少しでも気持ちいいって思えば、こうやって濡れてくるんだよ」


麻耶は淡々と説明をしているが、凛はそれどころではない。


まるであの時の椿のように光っているそこをジッと食い入るように見た。


「……ここが乾いてると、痛い」


凛は今まで、自分のそこの部分を触ったこともなければ、見たこともなかった。初めて見る濃い桃色のそれは、僅かな明かりに照らされながら、麻耶の指を飲み込んでいる。


「痛くはないよ……全然。でもなんか入ってるなって感覚はあるけど……」

「動かしてみる?」


凛は少しだけ不安だったが、首を縦に振った。


麻耶は指を挿れたまま、態勢を変え凛に覆いかぶさる。


「麻耶……」

「怖い?」

「少しだけ……」


凛は麻耶には、少しだけ燻る不安も全て吐き出す。


麻耶は凛を安心させるために、唇に口付けをしたくなる。麻耶の中で昂ぶる炎を鎮めるためにも______いや、口付けなんかしたら、ますますその炎は勢いを増すだろうと麻耶は思った。


麻耶は小さく、静かに深呼吸をする。そうしてコントロールするのが精一杯だった。


一方凛は、そんな麻耶の唇を見つめていた。


_____キスってどんな感じなんだろう_____


SEXはもちろんだけれど、凛は口付けにも興味があった。


「あっ……」

「痛かったら言って。やめるから」


麻耶はその態勢のまま、凛の中に挿れられた指をそっと動かす。麻耶の指はまだ根元まで挿れられていない。少しづつ、潤いを確かめながら、奥を目指していく。


「……凛?」

「え?」

「どう?」

「あ、なんか全然平気でビックリ」

「なら良かった」


麻耶は凛の反応を伺いながら、ゆっくりと指を根元まで沈める。凛は痛みや緊張はなく、すぐそこにある麻耶の唇ばかりに魅入っていた。


もう口付けでもしそうな二人の唇と唇の距離。


_____ファーストキスはとっておいてね


凛の頭には麻耶の言葉が過ぎった。


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