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初花凛々
第2章 蝉時雨
冷えたコーヒー牛乳の蓋をポンっと音を立て開ける。
甘いミルクと合わさったコーヒーの香りが鼻をくすぐり、キンキンに冷えたそれをゴクゴクと喉を鳴らし流し込む。
和みの湯で充分に熱くなった身体は、ちょうどいい体温になる。
「うんめ〜」
凛はボソッとひとりごちた。
この瞬間がたまんないんだよねぇ、と思いながら、空になった瓶をケースに戻す。
「ぶっ」
_____え?
笑い声が聞こえ、その方向を見る。
「親父かよ」
そこには、今一番会いたくない人物でもある、須田がいた。
「なんでここにいんのよ!?」
男性と積極的に話さない凛だが、焦りの余りそんなこと頭からすっぽ抜けてしまった。
そんな凛を、須田はまた嫌味に笑う。
「コーヒー牛乳一気飲みって」
「んなっ、いいじゃない!」
「悪くはないと思うよー?腰に手まであてて…」
そこまで言うと、須田はまたこみ上げる笑いを噴き出した。
ゲラゲラと笑う須田のことを、こいつもこんな風に笑うのかと凛は呆然と眺めていた。
_____いや、呑気に眺めてる場合じゃないって!
凛は我に返った。
「こんな姿、社内の人間が知ったら驚くだろうなぁ」
「どういうこと?」
凛は、社内の人間に自分がどう思われているか知らない。陰口を叩かれていることは知っているけれど。
「それも、西嶋が知ったら_____ 」
そこで出た西嶋という単語に、凛は鋭く反応する。
「にっ、西嶋さんに言うの!?」
今日の会社での出来事も、たった今まですっかり忘れていたが、一気に思い出した。
どうせイメージは良いものではないとは思ったが、凛は西嶋にどう思われているのか気になった。
好意を寄せている相手に、自分はどう評価されているのか_____
それは恋する者なら、誰しもが気になる部分。
甘いミルクと合わさったコーヒーの香りが鼻をくすぐり、キンキンに冷えたそれをゴクゴクと喉を鳴らし流し込む。
和みの湯で充分に熱くなった身体は、ちょうどいい体温になる。
「うんめ〜」
凛はボソッとひとりごちた。
この瞬間がたまんないんだよねぇ、と思いながら、空になった瓶をケースに戻す。
「ぶっ」
_____え?
笑い声が聞こえ、その方向を見る。
「親父かよ」
そこには、今一番会いたくない人物でもある、須田がいた。
「なんでここにいんのよ!?」
男性と積極的に話さない凛だが、焦りの余りそんなこと頭からすっぽ抜けてしまった。
そんな凛を、須田はまた嫌味に笑う。
「コーヒー牛乳一気飲みって」
「んなっ、いいじゃない!」
「悪くはないと思うよー?腰に手まであてて…」
そこまで言うと、須田はまたこみ上げる笑いを噴き出した。
ゲラゲラと笑う須田のことを、こいつもこんな風に笑うのかと凛は呆然と眺めていた。
_____いや、呑気に眺めてる場合じゃないって!
凛は我に返った。
「こんな姿、社内の人間が知ったら驚くだろうなぁ」
「どういうこと?」
凛は、社内の人間に自分がどう思われているか知らない。陰口を叩かれていることは知っているけれど。
「それも、西嶋が知ったら_____ 」
そこで出た西嶋という単語に、凛は鋭く反応する。
「にっ、西嶋さんに言うの!?」
今日の会社での出来事も、たった今まですっかり忘れていたが、一気に思い出した。
どうせイメージは良いものではないとは思ったが、凛は西嶋にどう思われているのか気になった。
好意を寄せている相手に、自分はどう評価されているのか_____
それは恋する者なら、誰しもが気になる部分。