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第16章 夏深し

男の生態を聞き終えると、凛は放心状態になった。


私は何てことを麻耶に_______


「でも、それでもその人我慢してくれてるんでしょ」

「……うん。挿れないって約束守ってくれてるよ」


雫はそれを聞いて、ニッと口を横にして笑った。


「私そいつ気に入った！」


高らかにそう言って。


「そんな状況でも理性働かせるなんて！素敵男子！」

「理性……」

「普通なら我慢出来なくて事に及んじゃうと思うんだよね。でも凛のために我慢してくれてるんでしょ？それって凄いよ。凛、その人に頼んで正解だったね」

「うん、そう思う」

「いつか無事に恋人が出来たら、恩返ししなきゃね」


________恋人


そんなもの、私に出来るのだろうか。


最近はその行為に夢中で、本来の目的をすっかり忘れてしまっていた。


いつかの恋に向けての準備。


麻耶は凛のそれに協力してくれているだけだということに。