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初花凛々
第18章 揺蕩う心
「……私恥ずかしい」
高校時代、初めての恋をして。ひた隠しにしてきた圭吾への想い。
親友の雫と結ばれて、苦しい時だってあった。けれど凛は心から二人の幸せを願っていたから____
「もう、馬鹿みたいだっ……」
凛は手のひらで目を覆い、嘆いた。
____二人はもしかして、私のことを笑っていたの____?
そんなはずないと、雫と圭吾はそんな人間じゃないとわかっていても、過る疑心。凛は自分の心の醜さに嫌気がさした。
「こんな私……、誰にも好きになってもらえなくて当然なんだよ」
「それは違うよ、凛」
「なにが違うっていうの?麻耶にはわかんないよ!私と違って、たくさんの経験がある麻耶になんか____ 」
これは完全にやつあたりだと凛自身も気が付いているが、止められなかった。
「うっ……うう〜」
今度は栓が外れたかのように泣き出した凛。麻耶はそんな凛の身体を起こし、涙で濡れた頬を撫でた。
「……俺さ、凛とこうなる前からずっと、話してみたいって思ってたんだ」
「え……?」
凛は涙でいっぱいの瞳で麻耶を見た。
「わたあめいんじゃん?新山奈々」
「あ……新山さん?」
不意に出た新山の名前に、凛はどくっとした。
「あいつ、今は人事にいるけど。二年前まで営業にいたんだよ」
「えっ……、そうだったっけ?」
「二年前は営業と人事のフロア別だったから知らなかったと思うけど。あいつ、すげーやられてたんだよね」
「やられてたって……嫌がらせか何か?」
「そ。凛も知ってるだろうけど、如月とか、そこらへんの奴にね」
麻耶は教えてくれた。新山は如月たちに目をつけられ、毎日無視をされたり、社会人らしからぬ嫌がらせを受けていた、と。
「俺、新山とは地元が同じで。小中一緒だったんだ」
「そうだったんだ……」
だから二人は親しげだったのかと、その時凛は線がひとつ繋がった。
高校時代、初めての恋をして。ひた隠しにしてきた圭吾への想い。
親友の雫と結ばれて、苦しい時だってあった。けれど凛は心から二人の幸せを願っていたから____
「もう、馬鹿みたいだっ……」
凛は手のひらで目を覆い、嘆いた。
____二人はもしかして、私のことを笑っていたの____?
そんなはずないと、雫と圭吾はそんな人間じゃないとわかっていても、過る疑心。凛は自分の心の醜さに嫌気がさした。
「こんな私……、誰にも好きになってもらえなくて当然なんだよ」
「それは違うよ、凛」
「なにが違うっていうの?麻耶にはわかんないよ!私と違って、たくさんの経験がある麻耶になんか____ 」
これは完全にやつあたりだと凛自身も気が付いているが、止められなかった。
「うっ……うう〜」
今度は栓が外れたかのように泣き出した凛。麻耶はそんな凛の身体を起こし、涙で濡れた頬を撫でた。
「……俺さ、凛とこうなる前からずっと、話してみたいって思ってたんだ」
「え……?」
凛は涙でいっぱいの瞳で麻耶を見た。
「わたあめいんじゃん?新山奈々」
「あ……新山さん?」
不意に出た新山の名前に、凛はどくっとした。
「あいつ、今は人事にいるけど。二年前まで営業にいたんだよ」
「えっ……、そうだったっけ?」
「二年前は営業と人事のフロア別だったから知らなかったと思うけど。あいつ、すげーやられてたんだよね」
「やられてたって……嫌がらせか何か?」
「そ。凛も知ってるだろうけど、如月とか、そこらへんの奴にね」
麻耶は教えてくれた。新山は如月たちに目をつけられ、毎日無視をされたり、社会人らしからぬ嫌がらせを受けていた、と。
「俺、新山とは地元が同じで。小中一緒だったんだ」
「そうだったんだ……」
だから二人は親しげだったのかと、その時凛は線がひとつ繋がった。