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初花凛々
第20章 山、粧う
一時間後、雫と凛はまだアリスの店にいた。


「もー!雫ぅ!ひゃははは!」

「シー!声がでかい!」


凛は再び、アリスの不思議な国へ迷い込んだ。どうしてか、ここの酒は凛をその国へと誘うべく、とろとろに酔わせてしまうのだ。


「んん〜、麻耶に会いたぁい」

「はいはい、明日会社で会えるでしょ」

「会えないの!」

「なんでよ?」

「麻耶は現在出張中なのです!」

「だから声が大きい」


凛は酔いの回った頭で、何度も麻耶を思い浮かべた。


フラフラになりながらも雫に付き添われなんとか帰宅をして、雫にあーだこーだ言われながらも寝支度をし、それを確認してから雫は帰って行った。


凛はベッドにダイブし目を瞑る。するとまぶたの裏に浮かぶのは、やはり麻耶の顔だった。


「いーち、にー、さーん」


まだ酔っ払っている凛は、部屋にあるカレンダーを眺め、声を出し数えた。


「まだ三日も先かぁ……」


麻耶は一週間、新商品のプレゼンのために九州へと出張中。凛は当然、麻耶と過ごしていた夜の時間を持て余していた。


「……早く会いたいなぁ」


凛はひとりごちた。


別に、SEXの練習はついででいい。


麻耶と二人で銭湯へ出向き、熱い湯で身体を洗い流したあとはコーヒー牛乳で喉を鳴らして。
そしてそのあとは一緒にキッチンに並んで、だいぶ上達した麻耶と野菜を刻んだり、パスタを茹でてみたり。
テレビを見ながらそれを食べて、世間話をして。

寝る頃には、麻耶の指と舌で愛撫されて、火照った肌と、熟れた割れ目といきり勃つ棒を擦り合わせて____


____ずくん


凛の子宮が、切ない悲鳴をあげる。


凛は何もされていないのに、なぜかじゅわりと股から液を出しショーツを濡らした。





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