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初花凛々
第20章 山、粧う
____男の人と映画なんて初めて。
相手は中性的な優とはいえ、立派な男性。凛は少しばかりの緊張を覚えた。
「ごめん、ちょうど本社から電話が入って遅くなった」
「映画何時から?」
「19時____って、あと30分ないね。急ごう」
「うん」
会社を出て、優はふいに凛の手を取った。
いきなりだったので、凛は驚いたが、相手は優。
____ここで動揺したら、なんとなく気まずい気がする。
凛はそう思い、平静を装った。
「あのバスに乗らなきゃ。いい?走るよ」
「えっ、あっ、うん!わかった!」
優と凛は走った。手を繋ぎながら____
秋風は凛の頬を撫でた。
夏の匂いは消え、冬の気配を含むその風は、凛の足元に転がる木の葉をカサカサと揺らした。
相手は中性的な優とはいえ、立派な男性。凛は少しばかりの緊張を覚えた。
「ごめん、ちょうど本社から電話が入って遅くなった」
「映画何時から?」
「19時____って、あと30分ないね。急ごう」
「うん」
会社を出て、優はふいに凛の手を取った。
いきなりだったので、凛は驚いたが、相手は優。
____ここで動揺したら、なんとなく気まずい気がする。
凛はそう思い、平静を装った。
「あのバスに乗らなきゃ。いい?走るよ」
「えっ、あっ、うん!わかった!」
優と凛は走った。手を繋ぎながら____
秋風は凛の頬を撫でた。
夏の匂いは消え、冬の気配を含むその風は、凛の足元に転がる木の葉をカサカサと揺らした。