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初花凛々
第21章 秋桜の夜
凛は伝えた。


椿には悪いと思ったが____


たとえ麻耶がそれを知っても、悪い方には転がらないだろうと思い、言うことにした。


椿が麻耶のことを好きだと言うことを伝えると、麻耶はフーッと息を吐いた。


「……で?」

「以上で報告は終わりですけど……」

「それで、なんで俺が椿のところに行かなきゃなわけ?」

「え?だから、椿さんが麻耶を好きだから、行ってあげなくちゃって」

「処女の言うことわかんねー」


麻耶はぷっと笑った。


「あ!また馬鹿にした!」

「いやいや、だっておかしいじゃん。それって俺の意思が全く反映されてない」


麻耶は凛の足首を再び掴み、グッと自分に引き寄せた。


そうして凛を胸元にしまい込み、ぽつりと呟いた。


「……さっき言ったよ。出張中、凛に会いたかった、って」

「変なの……」

「どこが変なの」

「だって、私なんかより椿さんといた方が____ 」


楽しいし、きっとSEXだってキスだって出来る。それなのになぜ麻耶は自分と過ごすのかと、凛はそれを不思議に思った。


「……出張中さ、初めて気付いたことがあって」

「なに?」

「そういえば凛の連絡先知らないってことに」

「それは私も前に気付いた」

「聞いとけばよかった、って思ったよ。そうしたらリアタイで向こうの景色とか写真撮って送れたのにって」

「……素敵な景色、私も見たい」

「今からでも見ますか?」

「見ます、見ます!」


凛は麻耶の腕の中で、すっかり元気を取り戻した。


麻耶が椿と過ごす時間よりも、自分と過ごす時間を選んでくれたこと。


それは誰からも選ばれたことのない凛にとって、胸に深く刻まれた。
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