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初花凛々
第23章 紅葉狩り

「……凛、凛ってば」

「ん……?」

「着きましたけど」

「えっ!」


身体を揺さぶられて、凛は自分が眠っていたことに気が付いた。


既に機体は目的地に着陸していた。


「私寝てた!?」

「ずっとね。むしろ飛行機心地よかったとか?」

「いやいやまさか!」

「まぁ酔い止めのせいもあるのかもね。酔い止めって眠くて怠くなるじゃん」

「え?あぁ、そうだね……」


凛にとって、飛行機ではなく手から伝わる麻耶の温もりが心地よかったのだけれど。麻耶はそれに気づかず、爆睡していた凛のことを笑っていた。


"死ぬ時は一緒"


その時の麻耶の笑顔は何度も凛の脳内で反芻され、夢の中にまで出てきたような気がする。
その度に凛の心を、乱気流並みに大きく揺さぶった。





「くるちゃん先輩〜」


飛行場にて、統括としての役目を終えると、新山が凛に駆け寄ってきた。ニヤニヤとした笑みを浮かべながら。


「須田さんと手なんか繋いじゃって〜」

「えっ、見てたの!?」

「たぶん人事部はほぼみんなが目撃したと思われます」

「なっ、なんで!?」

「トイレに立った時とか、見ちゃいますよ。それに須田さんって目立ちますし。くるちゃん先輩だって」

「いやいやいや!んな事ないから!」


凛は今更ながら、あんなにも取り乱した事に恥ずかしくなった。


なぜだか凛は、麻耶には精一杯甘えてしまう。


麻耶は恋人でも何でもないのに____





「きゃあ!予想以上に素敵なお宿!」


飛行場からはバスで移動した。宿が見えてくると、新山は楽しそうな声をあげた。


本日のお宿は、浮かれていない落ち着いた雰囲気を醸し出す老舗旅館。割と規模は大きめで、まるで某有名アニメ映画に出てくる温泉みたいだ、と皆が言っていた。







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