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初花凛々
第23章 紅葉狩り
「ここ、座れよ」
麻耶はぼうっと立ったままの凛に、自分の隣に座るよう促した。
「あーなになにーそんな感じなんー?」
もう既にお酒がキマってしまっている野村は、凛と麻耶の様子を見てからかった。
「そんなんじゃねーし」
野村の酔っぱらった冗談を、ほぼシラフの麻耶は真面目に返事を返した。
「んもぅ、須田っちご機嫌ななめ〜?」
野村は麻耶の頬を指でちょん、とした。その光景が可笑しくて、凛は思わず笑ってしまいそうになる。
「胡桃沢さん、これどうぞ」
「あっ、ありがとうございます!」
麻耶が野村とじゃれているとき、逆隣に座っていた小松が、凛にグラスを差し出した。
なんとなく、雰囲気が優っぽいなと凛は思いながら、差し出されたグラスを受け取った。
「何飲む?」
「えっと、どうしよっかな」
「リキュールとかもあるよ。それともまずはビールで乾杯的な?」
「あ、そうですね。そうします」
いつのまに、誰が準備していたのか。キンキンに冷えた缶ビールの蓋を小松がプシュッと音をさせて開けた。
「…飲み会でさ」
「はい」
「蓋が既に開けられてる飲み物には要注意だよ」
「へ?」
小松は凛のグラスにとくとくとビールを注ぎながら話し出した。
「特に男がいる飲み会ではね、気をつけないと」
「どうしてですか?」
問いかける凛に、小松はふっと笑った。
「毒が入れられてるといけないからね」
「毒?」
まだピンとこない凛。それには小松もハハッと吹き出して笑った。
「なんか眠くなるやつとかさ。女の子眠らして、悪戯するやついるし」
「えぇ…」
そんなことをする人もいるのかと、凛は目を丸くさせた。
「されたこと、ない?酔い潰されたりとか」
「ないです!」
自ら酔い潰れることはしょっちゅうだけど、と凛は思った。
酔い潰れて、そんな時いつも隣には麻耶がいて。けれど一度も、悪戯なんかされたことない、と凛は思い、隣にある麻耶の横顔を見つめた。
麻耶はぼうっと立ったままの凛に、自分の隣に座るよう促した。
「あーなになにーそんな感じなんー?」
もう既にお酒がキマってしまっている野村は、凛と麻耶の様子を見てからかった。
「そんなんじゃねーし」
野村の酔っぱらった冗談を、ほぼシラフの麻耶は真面目に返事を返した。
「んもぅ、須田っちご機嫌ななめ〜?」
野村は麻耶の頬を指でちょん、とした。その光景が可笑しくて、凛は思わず笑ってしまいそうになる。
「胡桃沢さん、これどうぞ」
「あっ、ありがとうございます!」
麻耶が野村とじゃれているとき、逆隣に座っていた小松が、凛にグラスを差し出した。
なんとなく、雰囲気が優っぽいなと凛は思いながら、差し出されたグラスを受け取った。
「何飲む?」
「えっと、どうしよっかな」
「リキュールとかもあるよ。それともまずはビールで乾杯的な?」
「あ、そうですね。そうします」
いつのまに、誰が準備していたのか。キンキンに冷えた缶ビールの蓋を小松がプシュッと音をさせて開けた。
「…飲み会でさ」
「はい」
「蓋が既に開けられてる飲み物には要注意だよ」
「へ?」
小松は凛のグラスにとくとくとビールを注ぎながら話し出した。
「特に男がいる飲み会ではね、気をつけないと」
「どうしてですか?」
問いかける凛に、小松はふっと笑った。
「毒が入れられてるといけないからね」
「毒?」
まだピンとこない凛。それには小松もハハッと吹き出して笑った。
「なんか眠くなるやつとかさ。女の子眠らして、悪戯するやついるし」
「えぇ…」
そんなことをする人もいるのかと、凛は目を丸くさせた。
「されたこと、ない?酔い潰されたりとか」
「ないです!」
自ら酔い潰れることはしょっちゅうだけど、と凛は思った。
酔い潰れて、そんな時いつも隣には麻耶がいて。けれど一度も、悪戯なんかされたことない、と凛は思い、隣にある麻耶の横顔を見つめた。