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初花凛々
第24章 朝ぼらけ
凛のグラスには、いつのまにか焼酎が注がれていた。


「これは俺の持ち込み」


小松がそう言って瓶を見せたのは紫蘇焼酎。


「飲んだことないです……」

「安心して、毒は入ってない」


小松は優しく微笑んで、無理なら残して、と付け加えた。その対応にすっかり安心した凛は、グラスを覗き込む。


まずは色。薄い赤紅色は、ワインを彷彿とさせた。香りはなんだか、甘酸っぱい香りがする。


凛はそっとグラスに口付けた。


「美味しい……」

「でしょ?」


凛はあまり、紫蘇は得意ではなかった。料理にもほとんど使わない。けれども焼酎だと、こんなにも美味しいのかと凛は感動した。


まるでフルーツのように、爽やかな香りが鼻から抜けて行く。


「気に入った?」

「はい!」


凛は飲んだ。そう、何杯も_____


















「ん……、あっつい……」


気付いた時、辺りは暗く。状況を把握するのに凛は時間を要した。
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