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初花凛々
第24章 朝ぼらけ
その口付けはただ、唇と唇を合わせただけの優しいものだった。
まるで傷を癒す魔法にでもかかったかのように、凛は落ち着きを取り戻してゆき、涙も止まった。
麻耶もまた、悔しかった。
女の子にとって、凛にとって大切にしてきたファーストキス。
麻耶自身も、その唇に何度口付けをしたいと思ってきたことか。それを必死に我慢し、耐えてきたのに。こんなにもアッサリと他人に奪われるなんて_____と。
そっとふたつの唇は離れ、泣き腫らした凛の瞳と、麻耶の瞳が交差する。
その視線は絡まり、近づいて。
再び重なった唇。
凛は麻耶の背中に腕を回し、キツく抱きついた。麻耶もまた、凛の後頭部と背中に手を回し、抱きしめる。
もう大丈夫だよと、思いを込めて。
_____もっとしたい
凛は度々離される麻耶の唇を、もっと欲しいと求めた。
口には出さないが、目で訴える。
それに気付いた麻耶は、もう止まれない、と思った。
凛は思わず、身震いしてしまいそうになった。
麻耶は凛の唇に、舌を侵入させる。
先ほど小松の舌により舐め回された口内を、まるで消毒してゆくかのように麻耶の舌は動いた。
凛は今まで、こんなキスは経験がない。けれども何度も欲しいと願ったその舌のぬくもりを求め、追う。
静まり返った部屋には、凛と麻耶の舌が絡み合う水音がちゅるちゅると響いた。
ずっと欲しかった麻耶の唇と舌を味わった凛。
先ほどまで恐怖の最中にいたとは思えぬほど、凛はずくんとした身体の疼きを覚えた。
まるで傷を癒す魔法にでもかかったかのように、凛は落ち着きを取り戻してゆき、涙も止まった。
麻耶もまた、悔しかった。
女の子にとって、凛にとって大切にしてきたファーストキス。
麻耶自身も、その唇に何度口付けをしたいと思ってきたことか。それを必死に我慢し、耐えてきたのに。こんなにもアッサリと他人に奪われるなんて_____と。
そっとふたつの唇は離れ、泣き腫らした凛の瞳と、麻耶の瞳が交差する。
その視線は絡まり、近づいて。
再び重なった唇。
凛は麻耶の背中に腕を回し、キツく抱きついた。麻耶もまた、凛の後頭部と背中に手を回し、抱きしめる。
もう大丈夫だよと、思いを込めて。
_____もっとしたい
凛は度々離される麻耶の唇を、もっと欲しいと求めた。
口には出さないが、目で訴える。
それに気付いた麻耶は、もう止まれない、と思った。
凛は思わず、身震いしてしまいそうになった。
麻耶は凛の唇に、舌を侵入させる。
先ほど小松の舌により舐め回された口内を、まるで消毒してゆくかのように麻耶の舌は動いた。
凛は今まで、こんなキスは経験がない。けれども何度も欲しいと願ったその舌のぬくもりを求め、追う。
静まり返った部屋には、凛と麻耶の舌が絡み合う水音がちゅるちゅると響いた。
ずっと欲しかった麻耶の唇と舌を味わった凛。
先ほどまで恐怖の最中にいたとは思えぬほど、凛はずくんとした身体の疼きを覚えた。