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初花凛々
第25章 天つ乙女
麻耶の言葉に安心した凛は、無事に朝食を済ませた。
コーヒーまで飲んだところで、そういえば早く行かなきゃ!と思うほどにリラックスした。
「小松さん」
既にレストランの外で待機していた小松に、凛は声を掛けた。
先ほど、何かあったらどうしようと凛は不安だったが、目の前にいる小松を見て大丈夫そうだと思った。
小松は昨夜とは違い穏やかで、申し訳なさそうに眉を下げていた。
「……昨日は本当にごめん。強引にあんなことして」
小松は、凛に頭を下げてきた。
「悪かった」
と、何度でも繰り返して。
小松には色々言ってやろうと思っていた凛。
人の唇を奪っておきながら、あの言い草は何事かと。言おうと思っていたのに。けれど言い訳もせずに謝罪をする小松を見ていたら、言う気がしなくなった。
「……もう、いいですよ。気にしないでください」
アッサリと凛は許してしまった。小松もそれには驚いたのか、ハッとした表情で凛を見た。
「小松さんて、普段そんな事する人じゃないって麻耶が……」
それを聞き小松は、ホッとしたような表情を浮かべた。
「……これ、言うなって言われたんだけどさ」
「え?」
「今朝、あいつにめちゃくちゃキレられて」
「麻耶に?」
「あー、まぁ」
小松はバツが悪そうに、小さく笑った。
「あいつに何してくれちゃってんのって、マジ眼鏡壊される勢いで」
「あはは」
その光景を思い浮かべ、凛は思わず笑ってしまった。
「須田があんなに取り乱したところ、初めて見た」
言われてみれば、凛も麻耶が感情を露わにするところは見た事がない、と思った。
意地悪な笑いを浮かべながらも、心から笑っていないような時もあるし。それに強い口調だけれど、優しい表情の時もあって。
ポーカーフェイスな彼の事を、凛は実はあまり知らないことに気付く。
「おい」
「ひゃっ!」
小松と笑い合っていたら、後ろから麻耶が登場した。
「言うなっつっただろ」
「ごめんて。でも悪いようには言ってないし」
麻耶と小松はお互いをけなしあいながら、その場から立ち去っていった。
その場に一人残された凛は、一体なんなんだと、凛の口からはまた、笑みが零れた。
コーヒーまで飲んだところで、そういえば早く行かなきゃ!と思うほどにリラックスした。
「小松さん」
既にレストランの外で待機していた小松に、凛は声を掛けた。
先ほど、何かあったらどうしようと凛は不安だったが、目の前にいる小松を見て大丈夫そうだと思った。
小松は昨夜とは違い穏やかで、申し訳なさそうに眉を下げていた。
「……昨日は本当にごめん。強引にあんなことして」
小松は、凛に頭を下げてきた。
「悪かった」
と、何度でも繰り返して。
小松には色々言ってやろうと思っていた凛。
人の唇を奪っておきながら、あの言い草は何事かと。言おうと思っていたのに。けれど言い訳もせずに謝罪をする小松を見ていたら、言う気がしなくなった。
「……もう、いいですよ。気にしないでください」
アッサリと凛は許してしまった。小松もそれには驚いたのか、ハッとした表情で凛を見た。
「小松さんて、普段そんな事する人じゃないって麻耶が……」
それを聞き小松は、ホッとしたような表情を浮かべた。
「……これ、言うなって言われたんだけどさ」
「え?」
「今朝、あいつにめちゃくちゃキレられて」
「麻耶に?」
「あー、まぁ」
小松はバツが悪そうに、小さく笑った。
「あいつに何してくれちゃってんのって、マジ眼鏡壊される勢いで」
「あはは」
その光景を思い浮かべ、凛は思わず笑ってしまった。
「須田があんなに取り乱したところ、初めて見た」
言われてみれば、凛も麻耶が感情を露わにするところは見た事がない、と思った。
意地悪な笑いを浮かべながらも、心から笑っていないような時もあるし。それに強い口調だけれど、優しい表情の時もあって。
ポーカーフェイスな彼の事を、凛は実はあまり知らないことに気付く。
「おい」
「ひゃっ!」
小松と笑い合っていたら、後ろから麻耶が登場した。
「言うなっつっただろ」
「ごめんて。でも悪いようには言ってないし」
麻耶と小松はお互いをけなしあいながら、その場から立ち去っていった。
その場に一人残された凛は、一体なんなんだと、凛の口からはまた、笑みが零れた。