この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
初花凛々
第25章 天つ乙女
麻耶の言葉に安心した凛は、無事に朝食を済ませた。


コーヒーまで飲んだところで、そういえば早く行かなきゃ!と思うほどにリラックスした。


「小松さん」


既にレストランの外で待機していた小松に、凛は声を掛けた。


先ほど、何かあったらどうしようと凛は不安だったが、目の前にいる小松を見て大丈夫そうだと思った。


小松は昨夜とは違い穏やかで、申し訳なさそうに眉を下げていた。





「……昨日は本当にごめん。強引にあんなことして」


小松は、凛に頭を下げてきた。


「悪かった」


と、何度でも繰り返して。


小松には色々言ってやろうと思っていた凛。


人の唇を奪っておきながら、あの言い草は何事かと。言おうと思っていたのに。けれど言い訳もせずに謝罪をする小松を見ていたら、言う気がしなくなった。


「……もう、いいですよ。気にしないでください」


アッサリと凛は許してしまった。小松もそれには驚いたのか、ハッとした表情で凛を見た。


「小松さんて、普段そんな事する人じゃないって麻耶が……」


それを聞き小松は、ホッとしたような表情を浮かべた。


「……これ、言うなって言われたんだけどさ」

「え?」

「今朝、あいつにめちゃくちゃキレられて」

「麻耶に?」

「あー、まぁ」


小松はバツが悪そうに、小さく笑った。


「あいつに何してくれちゃってんのって、マジ眼鏡壊される勢いで」

「あはは」


その光景を思い浮かべ、凛は思わず笑ってしまった。


「須田があんなに取り乱したところ、初めて見た」


言われてみれば、凛も麻耶が感情を露わにするところは見た事がない、と思った。


意地悪な笑いを浮かべながらも、心から笑っていないような時もあるし。それに強い口調だけれど、優しい表情の時もあって。


ポーカーフェイスな彼の事を、凛は実はあまり知らないことに気付く。


「おい」

「ひゃっ!」


小松と笑い合っていたら、後ろから麻耶が登場した。


「言うなっつっただろ」

「ごめんて。でも悪いようには言ってないし」


麻耶と小松はお互いをけなしあいながら、その場から立ち去っていった。


その場に一人残された凛は、一体なんなんだと、凛の口からはまた、笑みが零れた。


/452ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ