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初花凛々
第4章 遣らずの雨
「まぁそれは置いておいてさ」
焦りの顔を浮かべる凛を他所に、須田は軽い口調で話を進める。
「今夜あいてる?」
いきなりの誘いに、凛はまたも動揺する。
「……あいてません」
嫌な予感しかしない凛は、特に用事もないがそう答えた。
「あいてるんだね。よし、決まり」
「用事があるの!」
「またまた」
なんでもお見通しだよと言わんばかりの須田の笑み。
「会社のエントランス、18時に来てよ」
「ちょっ!だから用事があるってば!」
凛は訴えるが、須田は手をヒラヒラさせながら、営業部のスペースへと消えた。
_____もう!勝手すぎる!
凛は苛々した。けれど須田には数々の弱みを握られているため、従うほかないと思った。
「くるちゃん先輩〜!どうしたんですか?珍しく機嫌悪そう……」
わたあめ_____いや、新山が昼休憩に凛の隣に来た。
「えっ?そうかな?」
「くるちゃんはいつもニコニコしてないとですよ」
新山は同意を求めるかのように、首を少し傾げ、上目遣いで凛を見た。
「うん、わかった。ニコニコでいるね」
凛は新山の可愛さにやられ、同意した。
そんな凛を見て、新山も嬉しそうに微笑んだ。
「胡桃沢、これ頼んでもいいか?」
「なんですか課長?」
凛の会社は定時が18時。17時30分を回ったところで、課長が凛に数枚の用紙を手渡してきた。
「明日使う資料なんだが、担当の加藤が体調不良で早退したんだ」
「……と言いますと」
「礼は弾むから」
「礼なんて……」
_____どうしよう
今日はこのあと、須田と約束がある。行かなければ、なんて言われるかわからない。
だけど目の前の課長からは、とても困っている様子がヒシヒシと伝わってきた。
焦りの顔を浮かべる凛を他所に、須田は軽い口調で話を進める。
「今夜あいてる?」
いきなりの誘いに、凛はまたも動揺する。
「……あいてません」
嫌な予感しかしない凛は、特に用事もないがそう答えた。
「あいてるんだね。よし、決まり」
「用事があるの!」
「またまた」
なんでもお見通しだよと言わんばかりの須田の笑み。
「会社のエントランス、18時に来てよ」
「ちょっ!だから用事があるってば!」
凛は訴えるが、須田は手をヒラヒラさせながら、営業部のスペースへと消えた。
_____もう!勝手すぎる!
凛は苛々した。けれど須田には数々の弱みを握られているため、従うほかないと思った。
「くるちゃん先輩〜!どうしたんですか?珍しく機嫌悪そう……」
わたあめ_____いや、新山が昼休憩に凛の隣に来た。
「えっ?そうかな?」
「くるちゃんはいつもニコニコしてないとですよ」
新山は同意を求めるかのように、首を少し傾げ、上目遣いで凛を見た。
「うん、わかった。ニコニコでいるね」
凛は新山の可愛さにやられ、同意した。
そんな凛を見て、新山も嬉しそうに微笑んだ。
「胡桃沢、これ頼んでもいいか?」
「なんですか課長?」
凛の会社は定時が18時。17時30分を回ったところで、課長が凛に数枚の用紙を手渡してきた。
「明日使う資料なんだが、担当の加藤が体調不良で早退したんだ」
「……と言いますと」
「礼は弾むから」
「礼なんて……」
_____どうしよう
今日はこのあと、須田と約束がある。行かなければ、なんて言われるかわからない。
だけど目の前の課長からは、とても困っている様子がヒシヒシと伝わってきた。