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初花凛々
第29章 山茶花咲いて
キスの雨が降る_____


まさしく雨といっても過言ではないほど、二人は顔を合わせば、絶えず口付けを交わした。


社内や公共の場ではともかく、部屋でそれをされるとき、凛は身体の奥がずくん、ずくんと疼いた。


切ない痛みでもあるそれは、凛の女としての本能。


麻耶と触れ合いたい、繋がりたいという性欲だ。


それを思うがままに解放出来ないが故に、凛は日々悶々とし、それが溜息となって出てしまう。


そんな溜息も吐き飽きて、凛はすっかり冬支度を始めた街を早足で歩いた。











「……一人エッチ。オナニー」


凛はブツブツ言いながら、パソコンを指で弾いていた。


そう、この悶々とした思いを解放すべく、手段を見出そうとしているのだ。


「こっ、こんなことするのっ」


凛は自分で調べておきながら、目を覆いたくなった。


凛が目を背けたその画面。そこには見た目にも美しい女性たちが、これまた綺麗なネイルが施された細く長い指を、自らの穴に突っ込み恍惚の表情を浮かべている。


「痛くないのかな……」


爪が伸びたその指で弄るのは、なんだか痛そうで凛は尻穴がムズムズとしてきた。


凛は目を閉じ、思い浮かべる。


_____そう、凛の穴を弄り、蜜を溢れ出させた、麻耶の指を。


麻耶の指は気持ちが良かった。


決して激しく動かす訳でもないのに、処女の凛を膣のみで絶頂まで導いてくれた。


凛は愛しいその指を思い浮かべ、自らの指をパソコンの画面に映る女性達のように毛に覆われた秘所へと伸ばした。


そこは案の定とでも言おうか、全く濡れておらず、むしろ穴が閉じてしまったのではないかと心配になるほどにカラカラに乾いてしまっていた。
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