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初花凛々
第29章 山茶花咲いて
そこで凛は、麻耶との濃厚な時間を思い出す。


今日だって、麻耶は社内の廊下の端っこで、凛に口付けをした。


それは時間にしてほんの数秒だったと思うが、その一瞬でも凛はいとも簡単にそこを潤わせる。


目を瞑り、麻耶の唇の感触、舌の動きなど、細部に渡って記憶を辿る。


すると凛のそこは、見事に潤いを増してきた。


_____やっぱり指は怖い


麻耶の指は平気なのに、自分の指となるとなんだか怖くなって、凛は指の挿入はやめた。


代わりに、手軽に刺激を与えやすい臍下の微芯に指を添えた。


_____あれ、こんな感じだっけ?


そう疑問に思うほど、そこは気持ちよくもなんともなかった。


その日は、凛にとって初めてのオナニー記念日。


けれどちっとも快感などは得られず、凛の悶々とした想いは募る一方だった。
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