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初花凛々
第31章 花笑み
二人は鍵を締めることも、靴を脱ぐことも忘れて、部屋へ入ると同時に口付けをした。


「……っ、はぁっ……」


激しすぎる口付けに、呼吸すらままならない。


空気を求め必死に唇を開けると、それごと塞がれる。麻耶の唇で。


凛は背中に壁の感触を感じた。


麻耶は凛を壁へ押し付け、もう逃がさないというように、凛の唇を貪るように口付けをした。


_____もう、めちゃくちゃにして。


凛は麻耶の口付けにより、燃えたぎる熱いものを身体の奥底に感じる。


「ごめん、冷たいよ」


麻耶がごめんねをしたのと同じく、凛の胸がぐにゃりと形を変える。


柔らかなそれを、麻耶の大きな手が揉みしだく。


下着がずらされて、顔を出した胸の突起。麻耶の手の冷たさと凛の興奮により、そこは既に硬く尖っていた。


そこにガブ、と噛みつかれる。


凛は思わず叫びそうになったが、ここは玄関だということを思い出し必死に声を殺した。


「んん……」


凛は自らの手で口元を押さえ、声が出ないようにした。


それに気付いた麻耶はその手をあっけなく拘束して、唇で塞ぐ。


凛の下腹部にそっと麻耶の手が伸びる。


触られなくとも、もうそこは冷たい。


先ほど花火を見たあとから、ずっと、凛はそこが疼いていたから。


アパートまでの帰り道を、こんなにもどかしいと思ったことがなかった。


麻耶と早く繋がりたくて、どうしようもなくて、凛はそこを湿らせながら歩いていた。


「……っ!」


口付けをされながら、凛のショーツの中に麻耶の指が入り、割れ目を撫でた。


ぞくっとした快感が凛を容赦なく襲う。


もういつでも麻耶を迎え入れてもいいほど、そこは潤っていて。


おねだりをするように、凛は麻耶の首に腕を回し、自ら舌を絡めた。






「……どこにそれ、入れてたの」

「ジャケットの裏側」


麻耶はどこからともなく、コンドームを取り出した。なぜそこから出てくるのかと、凛は可笑しくて笑った。



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