この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
初花凛々
第32章 例えるならば薔薇
凛の隣から、小さく溜息のようなものが聞こえた気がした。


「……麻耶だけは、好きにならない方がいいって忠告したのに」

「……はい。そうですよね。でも好きになっちゃいました」


凛の告白に、しょうがないなという感じでさくらは笑った。


「言っとくけど。本当に辛いよ」


麻耶といて、辛いという思いはまだしたことがない凛にとっては、何がどう辛いのかはわからない。


「好きになればなるほど……辛いんだよ」


さくらは遠くを見つめながら呟いた。


彼女がまだ、麻耶のことを想っているのは明らかだった。


けれど凛も負けないくらい、麻耶のことを好きだと思った。


「まだ、私みたいなペーペーには想像もつかないですけど、でも」


麻耶との終わりが見えたとき、凛はとても悲しく、それこそ辛かった。


何も喉を通らなくて、麻耶のことばかりを考えて。


「離れた方が、今は辛いです」


凛は断言した。今は麻耶のそばにいたい。例え傷付くことや、涙することがあっても。どうしても、麻耶のそばにいたいのだ、と。


「……芋焼酎飲んで、ホッケ食べてさ。そんな女、麻耶には似合わない」

「え」

「最後にひとつだけ。麻耶だけは、やめときなよ」


さくらは最後の最後に、再び凛に忠告をした。















「浮かない顔してんじゃん」

「……小松さん」


エロメガネ____もとい。小松が凛の隣に来た。


「さっきの会話、うっかり聞いちゃったんだけどさ」

「さっきの?」

「須田の元、彼女……なのかな。わかんないけど可愛いよね」

「はぁ……」


何を言い出すのかと思えばそんな事で。凛は思わず笑ってしまう。


「あの子はあんな風に言ってるけど、須田は悪くないよ」

「え?」

「女が勝手に寄ってくるんだから」

「____え」


凛は驚き、目をひんむいて小松を見た。私もその一人だとおまえは言いたいのかと思いながら。


「怖いって、落ち着いてよ」

「別に取り乱してません!」


小松はそんな凛に笑いながら、話を続けた。
/452ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ