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初花凛々
第32章 例えるならば薔薇
凛の隣から、小さく溜息のようなものが聞こえた気がした。
「……麻耶だけは、好きにならない方がいいって忠告したのに」
「……はい。そうですよね。でも好きになっちゃいました」
凛の告白に、しょうがないなという感じでさくらは笑った。
「言っとくけど。本当に辛いよ」
麻耶といて、辛いという思いはまだしたことがない凛にとっては、何がどう辛いのかはわからない。
「好きになればなるほど……辛いんだよ」
さくらは遠くを見つめながら呟いた。
彼女がまだ、麻耶のことを想っているのは明らかだった。
けれど凛も負けないくらい、麻耶のことを好きだと思った。
「まだ、私みたいなペーペーには想像もつかないですけど、でも」
麻耶との終わりが見えたとき、凛はとても悲しく、それこそ辛かった。
何も喉を通らなくて、麻耶のことばかりを考えて。
「離れた方が、今は辛いです」
凛は断言した。今は麻耶のそばにいたい。例え傷付くことや、涙することがあっても。どうしても、麻耶のそばにいたいのだ、と。
「……芋焼酎飲んで、ホッケ食べてさ。そんな女、麻耶には似合わない」
「え」
「最後にひとつだけ。麻耶だけは、やめときなよ」
さくらは最後の最後に、再び凛に忠告をした。
「浮かない顔してんじゃん」
「……小松さん」
エロメガネ____もとい。小松が凛の隣に来た。
「さっきの会話、うっかり聞いちゃったんだけどさ」
「さっきの?」
「須田の元、彼女……なのかな。わかんないけど可愛いよね」
「はぁ……」
何を言い出すのかと思えばそんな事で。凛は思わず笑ってしまう。
「あの子はあんな風に言ってるけど、須田は悪くないよ」
「え?」
「女が勝手に寄ってくるんだから」
「____え」
凛は驚き、目をひんむいて小松を見た。私もその一人だとおまえは言いたいのかと思いながら。
「怖いって、落ち着いてよ」
「別に取り乱してません!」
小松はそんな凛に笑いながら、話を続けた。
「……麻耶だけは、好きにならない方がいいって忠告したのに」
「……はい。そうですよね。でも好きになっちゃいました」
凛の告白に、しょうがないなという感じでさくらは笑った。
「言っとくけど。本当に辛いよ」
麻耶といて、辛いという思いはまだしたことがない凛にとっては、何がどう辛いのかはわからない。
「好きになればなるほど……辛いんだよ」
さくらは遠くを見つめながら呟いた。
彼女がまだ、麻耶のことを想っているのは明らかだった。
けれど凛も負けないくらい、麻耶のことを好きだと思った。
「まだ、私みたいなペーペーには想像もつかないですけど、でも」
麻耶との終わりが見えたとき、凛はとても悲しく、それこそ辛かった。
何も喉を通らなくて、麻耶のことばかりを考えて。
「離れた方が、今は辛いです」
凛は断言した。今は麻耶のそばにいたい。例え傷付くことや、涙することがあっても。どうしても、麻耶のそばにいたいのだ、と。
「……芋焼酎飲んで、ホッケ食べてさ。そんな女、麻耶には似合わない」
「え」
「最後にひとつだけ。麻耶だけは、やめときなよ」
さくらは最後の最後に、再び凛に忠告をした。
「浮かない顔してんじゃん」
「……小松さん」
エロメガネ____もとい。小松が凛の隣に来た。
「さっきの会話、うっかり聞いちゃったんだけどさ」
「さっきの?」
「須田の元、彼女……なのかな。わかんないけど可愛いよね」
「はぁ……」
何を言い出すのかと思えばそんな事で。凛は思わず笑ってしまう。
「あの子はあんな風に言ってるけど、須田は悪くないよ」
「え?」
「女が勝手に寄ってくるんだから」
「____え」
凛は驚き、目をひんむいて小松を見た。私もその一人だとおまえは言いたいのかと思いながら。
「怖いって、落ち着いてよ」
「別に取り乱してません!」
小松はそんな凛に笑いながら、話を続けた。