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初花凛々
第4章 遣らずの雨
須田と西嶋は営業として、酒の席にクライアントと訪れることも少なくはない。仕事の話も交えつつ美味しい料理と酒を嗜むことは、スムーズな商談には欠かせない。
「胡桃沢さんも芋焼酎飲めるんだね」
意外だ、と西嶋は凛のグラスを見て言った。
_____こんな事になるなら、私もサワーにしとけばよかった。メニュー表には、可愛いカクテルはなくとも、カルピスサワーや桃のお酒もあったのに。
凛は恨めしげに村尾の瓶を眺めた。
「……いや、俺が無理に勧めたんだよ」
「あ、そうなん?」
「胡桃沢さん、本当は青りんごサワーにしようって言ってたんだけど。俺が、無理やり」
凛は俯きかけていた視線をあげ、須田を見た。
「ね?胡桃沢さん」
_____もしかして、フォローしてくれてるの?
凛は須田の気遣いに気付き、申し訳ないような、ありがたいような。不思議な気分になった。
「俺、そろそろ帰るから」
しばらくすると、須田が急にそんな事を言い出した。
「え、帰んのかよ」
「ちょっと用事があって」
「デート?」
「まぁ、そんなところ」
須田と西嶋の会話を聞き、凛は動揺した。
_____男の人と二人きりなんて無理!それも西嶋さんとだなんて…
席を立ち、会計に向かう須田の腕を凛は掴んだ。
「帰ったらダメ!」
凛の口からは、思わず大きめの声が出た。
「胡桃沢さんも芋焼酎飲めるんだね」
意外だ、と西嶋は凛のグラスを見て言った。
_____こんな事になるなら、私もサワーにしとけばよかった。メニュー表には、可愛いカクテルはなくとも、カルピスサワーや桃のお酒もあったのに。
凛は恨めしげに村尾の瓶を眺めた。
「……いや、俺が無理に勧めたんだよ」
「あ、そうなん?」
「胡桃沢さん、本当は青りんごサワーにしようって言ってたんだけど。俺が、無理やり」
凛は俯きかけていた視線をあげ、須田を見た。
「ね?胡桃沢さん」
_____もしかして、フォローしてくれてるの?
凛は須田の気遣いに気付き、申し訳ないような、ありがたいような。不思議な気分になった。
「俺、そろそろ帰るから」
しばらくすると、須田が急にそんな事を言い出した。
「え、帰んのかよ」
「ちょっと用事があって」
「デート?」
「まぁ、そんなところ」
須田と西嶋の会話を聞き、凛は動揺した。
_____男の人と二人きりなんて無理!それも西嶋さんとだなんて…
席を立ち、会計に向かう須田の腕を凛は掴んだ。
「帰ったらダメ!」
凛の口からは、思わず大きめの声が出た。