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初花凛々
第33章 茜さす
日が昇り、二人は仕事へ向かう準備をする。
まるで一緒に暮らしているみたいだ、と思って、凛は照れくさくもあり、嬉しくもなる。
「……あれ?」
コーヒーを淹れようとして、凛はキッチンの変化に気付く。
でも何が違うのかわからなくて、手が止まっていると麻耶が来た。
「なに?なんか足りない?」
「え、ううん」
そこで凛は、ハッと気付いた。
棚の中がスッキリとしていることに。
「麻耶、あの」
「ん?」
_____あのカラフルなお茶碗たちはどこへ行ったの?
聞こうと思ったけど、やめた。
麻耶が何も言わないのだから、自分からも聞かないでおこう、と。
けれど凛は嬉しかった。
結局、あの数あるお茶碗の正体はわからなかったけれど。今棚の中には、凛の普段使ってる男物のお茶碗と、麻耶のもの。その2つしか見当たらなかったから。
口ではなにも言わなくとも、これは麻耶なりの表現なのかと。凛はそう解釈した。
「うへへ」
「なに笑ってんの」
「なんでもない」
凛のふにゃふにゃとした笑いにつられて、麻耶も同じく、ふにゃりと笑った。
まるで一緒に暮らしているみたいだ、と思って、凛は照れくさくもあり、嬉しくもなる。
「……あれ?」
コーヒーを淹れようとして、凛はキッチンの変化に気付く。
でも何が違うのかわからなくて、手が止まっていると麻耶が来た。
「なに?なんか足りない?」
「え、ううん」
そこで凛は、ハッと気付いた。
棚の中がスッキリとしていることに。
「麻耶、あの」
「ん?」
_____あのカラフルなお茶碗たちはどこへ行ったの?
聞こうと思ったけど、やめた。
麻耶が何も言わないのだから、自分からも聞かないでおこう、と。
けれど凛は嬉しかった。
結局、あの数あるお茶碗の正体はわからなかったけれど。今棚の中には、凛の普段使ってる男物のお茶碗と、麻耶のもの。その2つしか見当たらなかったから。
口ではなにも言わなくとも、これは麻耶なりの表現なのかと。凛はそう解釈した。
「うへへ」
「なに笑ってんの」
「なんでもない」
凛のふにゃふにゃとした笑いにつられて、麻耶も同じく、ふにゃりと笑った。