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初花凛々
第34章 時雨心地
_____と、その後ろから。


「須田さんも、くるちゃん先輩も。電話出ないから、瀬名さんが行っちゃおうぜって」


新山が姿を現した。


「えっ、電話してくれてた!?」

「そうですよぉ〜」


新山に言われ、バッグに入れっぱなしの携帯を凛は確認した。すると凛にも、新山からの着信が入っていた、


「おまえら相変わらずつるんでんだな〜」


と、麻耶は新山と瀬名を眺め呟く。


そして続けて、「凛。こいつはわたあめの……なんだろ、セフレ?」


麻耶の発言に、新山は焦って。


「くるちゃん先輩!一から説明します!」


そう言ってきた。


ちんぷんかんぷんな凛だったが、たぶんこの瀬名という男は麻耶の友人か何かで。そして同じく新山もそうだろうなと言うのはわかる。


「アポぐらいよこせ」

「だからさっきから電話してただろーが」

「あーそう?」


SEXの最中に鳴り響いていたのは、新山ではなく瀬名からの着信。


「しつけーんだよ出なかったら悟れよ」

「邪魔したくなっちゃってさー」

「相変わらずだな」


麻耶は、普段の会社での振る舞いとも、凛の前とも違う。


少しヤンチャで、男の子っぽい雰囲気を今日は醸し出していた。



「凛、説明する。瀬名は高校の同級生。それで、わたあめの」

「セフレっす」

「だから違いますって!」


三人の掛け合いが面白くて、凛は思わず笑ってしまった。


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