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初花凛々
第37章 雪消月
新山が出社しなくなってから、もう一週間は過ぎただろうか。


凛は新山の家に行こうかどうか、決めかねていた。


迷いながらも、悩んでいる時間などなくて。


凛は一心不乱にパソコンと格闘していた。


「くるちゃん」


新山がつけた愛らしいニックネーム。


振り向くと、そこに立っていたのは人事部の部長だった。


「部長……、その呼び方は一体……」


そう言うと、部長はハハッと笑った後、真剣な顔に変わった。


「あいつ辞めることになったから」


部長は唐突に、そんな事を言ってきた。


「あいつって……」

「新山。昨日、退職願を持ってきた」




















部長の一言によって、凛は新山に会いに行くことに決めた。


まだまだ仕事は山積みだが、今日を逃したらいけない気がして。


18時ちょうどに、競走馬のごとく飛び出した。


急いでいる時に限って、オフィスゲートがエラーを知らせてくる。


じれったい。


苛立っていると、「凛、それ電車のカードだよ」と、声がして。


「麻耶!」


振り返ったら、麻耶がいた、


「わたあめの家わかるの?」


そういえば知らない、と、言われて気が付いた。


新山に会って何を言うのか、それさえも考えずにただ、焦るばかりで。気持ちだけが先走る。


落ち着け、と自分に言い聞かせる。


麻耶の顔を見たら、少しだけ冷静になれた。


「麻耶は新山さんが辞めるって知ってたの?」

「瀬名から聞いた」


それを聞き、もし瀬名が新山の支えになってくれているのなら、と凛は少しだけ安堵した。























「くるちゃん先輩……」


麻耶に聞いて、凛は新山の家を訪れた。


こうして考えてみると、凛は新山のことはほとんど知らないことに気付く。


新山はいきなり訪れた凛に驚くかと思ったが、意外にも冷静だった。






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