この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
初花凛々
第38章 風花
そろそろお昼にしようかと言い、3人はピクニックコートへと向かう。


凛は弁当を作った。


この為に、昨日は夜更けまで仕込みをしたし。今朝は4時に起きた。


「きゃあ!可愛い!」


今日この弁当を広げた時、新山が笑顔になるといいなと思いながら、凛は弁当を詰めた。


想像どおり、いや、それ以上の笑顔をいっぱいに輝かせながら、新山は凛の作った弁当を眺めた。


「あとね…これもあるの」


凛は、大きなバスケットから、透明なプラカップを3つ取り出した。


それを見た新山は、わぁ、と歓喜の声をあげた。


「コットンキャンディーソーダ、作ってみたよ。新山さんをイメージしたの」


透明な3つのプラカップに、炭酸水を半分ほど注ぐ。


そしてそこへ、メロンシロップ、イチゴシロップ、ブルーハワイシロップをそれぞれ注いで。よくかき混ぜて、その上に綿菓子を置いた。


「わたあめは、麻耶がつけたニックネームだけど。前にすごく辛かった時に新山さんから借りたハンカチが、わたあめのようにいい香りがしたから」


そう、あの夜


凛が劣等感に支配され鎖でがんじがらめになっていた時


新山がその凛の涙を受け止めてくれて


甘くて優しいハンカチを差し出してくれた、あの時のこと


「……新山さんと過ごせた毎日は、ふわふわ甘くて、優しくて。幸せだったよ。……ありがとう」


本当は、こんな言葉なんかじゃ言い表せないくらいだけれど。


あえて伝えるならば、さようならなんかじゃない。


ありがとうだと、凛は思った。


新山は凛の言葉に何も答えずただ、コットンキャンディーを見つめた。


凛と麻耶は黙って、そんな新山のことを見ていた。





/452ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ