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初花凛々
第5章 夕凪
数日後
その日は朝の天気予報で、梅雨明けを知らせていた。
空は雲ひとつなく、夏になりきれない薄青の空が広がっていた。
久しぶりの青空。
凛は仕事中も、窓から幾度も空を眺めては、頬を緩ませた。
「くるちゃん先輩!お昼は中庭で食べませんか?」
「私もそれがいいって思ってた」
凛は新山と共に、お弁当を持って中庭へと向かった。
「あ、お箸引き出しに忘れてきちゃった!くるちゃん先輩先に中庭行っててくれませんか?」
天気の良いこんな日は、風通しのよい中庭のベンチは争奪戦となる。
凛は中庭へと急いだ。
「……まやっ……」
_____ん?
中庭に向かう廊下を歩いていると、微かに聞こえた女の声。
「あ、あ……」
続いて、うめき声までもが。
凛は気になり、声の方向を見た。
すると目に入ったのは、女性を抱きしめる須田の姿。
女性は凛に背を向けているため何も気付いていないが、須田とはバッチリと目が合った。
動揺を隠せない凛に、須田はそっと人差し指を立てた。
その日は朝の天気予報で、梅雨明けを知らせていた。
空は雲ひとつなく、夏になりきれない薄青の空が広がっていた。
久しぶりの青空。
凛は仕事中も、窓から幾度も空を眺めては、頬を緩ませた。
「くるちゃん先輩!お昼は中庭で食べませんか?」
「私もそれがいいって思ってた」
凛は新山と共に、お弁当を持って中庭へと向かった。
「あ、お箸引き出しに忘れてきちゃった!くるちゃん先輩先に中庭行っててくれませんか?」
天気の良いこんな日は、風通しのよい中庭のベンチは争奪戦となる。
凛は中庭へと急いだ。
「……まやっ……」
_____ん?
中庭に向かう廊下を歩いていると、微かに聞こえた女の声。
「あ、あ……」
続いて、うめき声までもが。
凛は気になり、声の方向を見た。
すると目に入ったのは、女性を抱きしめる須田の姿。
女性は凛に背を向けているため何も気付いていないが、須田とはバッチリと目が合った。
動揺を隠せない凛に、須田はそっと人差し指を立てた。