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初花凛々
第39章 春告げ鳥が啼く
凛が騒ぐので、浴室の電気は消し、脱衣所の明かりのみつけた。


脱衣所からの橙色のぼんやりとした明かりが、浴室の磨りガラスを抜けて僅かに浴室を照らす。


凛は恥ずかしいが為にそういう措置を取ったのだが


間接照明のような僅かな明かりは、余計にいやらしさを引き立たせる。


いやらしいというよりは、ムードが作られるといった方が今の2人には合っているのかもしれない。


橙色は、凛の身体を艶やかに照らす。


そして麻耶の身体はより、一層。男らしく、魅力的に。


浴室に入るや否や、勢いよくシャワーの湯を出した。


同時に浴槽にも湯を溜めているせいか、浴室内はすぐに白い湯気で満たされてゆく。


_____お風呂だなんて、恥ずかしい



そう思っていた凛だが、この薄暗さと、心地よい湯気に満たされて。すぐにその思いはかき消される。


「あっ……」


ふいに、凛は後ろから胸を揉まれた。思わず、声が漏れる。


麻耶は凛の持ってきたハチミツのボディーソープを手のひらで泡立てて、そのふわふわした泡を、凛の身体にのせてゆく。


"洗う"と言いながら、麻耶の手つきは愛撫そのもの。凛を濡らす為の動きだった。


その手は胸から、鎖骨、首。


そしておなかへ。凛の身体の隅々まで、麻耶の手のひらが這う。


「くすぐったいよ〜」


凛は足の指までも泡でくすぐられて、キャハハと楽しそうに笑った。


そんなゆるい空気はここまで。


凛は笑う余裕なんて、一瞬で奪い取られる。


麻耶は凛のそそり立つ乳頭を、パクリと飴玉を放り込むように口に咥える。


いきなり訪れた強烈な刺激に、凛は嬌声をあげた。


それと共に浴室内に響く、シャワーの音。


ザァザァとしたその音は、以前は凛の泣き声を隠す為のものだったけれど、今は。


麻耶によって凛の口から惜しみなく漏れ出す、嬌声を隠す為のもの。

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