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初花凛々
第43章 紅差し指
まっすぐに繋がれた視線____


まるで睨めっこのように目が離せずにいたが、そこへ麻耶が登場したことによりその視線はあっけなく解放された。


「聞こえてんだよ廊下まで」


現れた麻耶はそう言うと、週間予定表に黒マジックで予定を書き込む。マジック独特の香りがして、キュキュッとした音が響く。


"4/30〜5/3 休 須田"


と書き込んだ。


そこで凛は、あ、と思った。


____GWの休み合わせよう


そういえば先日、麻耶にそう言われていたのだ。


____2人でどっか、遠出しようか


続けてそう言われて、凛は迷わず首を縦に振った。


遠出と行ってもどこへ行くのかはわからないけれど、麻耶と2人ならどこへ行ってもきっと楽しい、と凛は思う。


それは麻耶も同じで、予定表を書き終えた麻耶はふと凛の方を振り返り、目が合うと微笑んだ。


つられて凛も、微笑む。


「あ、あぁ須田はその日から休みなのか」


西嶋が口ごもりながらそう言う。


もう誰も凛と麻耶を軽くからかったりなんか出来ない空気が、2人の間に流れていた。























「胡桃沢さん」


17時、給湯室。コーヒーを淹れるための湯を沸かしていたら名を呼ばれ、凛は思わず肩が跳ねた。


振り返った凛は、いきなりの白雪姫の登場に驚く。いや、先ほどの視線から、どこかで予感していたかも。


「如月さん」


凛はまっすぐに如月を見た。


_______やっぱり、この人は魔女で、白雪姫だ。


そう思わせる妖しさと儚さがあいまって、見事な美を作り出している、と凛は思いながら、如月の艶やかな瞳を見つめた。


真っ赤なグロスが乗っかった唇から発せられる言葉を、凛はジッと待ち、息をするのも忘れていたかもしれない。


「おめでとう」


予想外の言葉。驚いて凛は、「え?」と聞き返してしまった。


「須田くんと結婚するんでしょう?」

「あぁ、はい。そうですね」


驚きすぎて、まるで他人事のような返事をしてしまった。


「……もっと根性ないかと思ってた」


如月はフフ、と笑った。赤く唇を光らせて。
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