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初花凛々
第43章 紅差し指
麻耶がくれた指輪は、驚くほどにピッタリと凛の指にフィットした。


まるでこの指に入る事が決められていました、とでも言いたげに輝いている。


麻耶はどうにかして凛の指のサイズを知りたかった。肝心な場面で入らないとか、ぶかぶかだとか失礼極まりない。失礼云々よりもやはり、凛の驚いた顔、喜ぶ顔が見たくて必死だった。


内緒にしながらサイズを知るには、凛が日頃使用しているファッションリングなどを失敬する方法も思いついたが、勝手に拝借するのはなかなか気が引けた。それにそもそも、凛がプライベートで指輪をしている姿は見たことがなかった。それも薬指にはしないはず、と思って。


サイズを知る為の良い方法を思いついたのは、凛を夢中で抱いていたとき。


絡めた指から。


麻耶の右手の小指と、凛の左手の薬指が同じ細さであることに気が付いた。


凛の身体に自身を抜き挿ししながらも、麻耶は凛のその指に口付けしたくて、堪らない衝動に駆られ、思わず凛の指を舐めた。


それだけでは止まらなくなり、一旦凛から引き抜くと、今度は足の指まで舐めた。


自分とは何もかもが違う、骨格からして違う凛の身体を隅々まで味わい尽くす。


「凛」


名を呼ぶ度に、凛は目を潤ませてゆく気がする。けれど麻耶は気が付いていない。凛よりも潤んでいる自身の瞳に________


今まで、周囲より経験はあったはずだった。


麻耶の地元では、県内唯一の男子高ということもあり、その制服はステータスだったのだろうか。


通学の為に駅を利用していると、度々女に声をかけられたりした。


中学のときに知ったSEX。


AV雑誌やDVDで見る気持ちよさそうな場面は、現実には訪れないということは17歳で知った。


誰としてもそれは同じ。まず甘い言葉を囁いて口付けをする。


そうして耳や首筋に沿い唇を移動してゆく。


胸を愛撫。ここまでで大抵の女は股を濡らす。


指でそっと確認をしてから、中へ。


もう十分に潤っているのを感触と音で確認をしたら、ここからはやることはひとつ。



ここから、というか。ここまでの過程までも、どの女とする時も大差ない。皆一緒だった。



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