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初花凛々
第45章 君影草〜鈴蘭
夜景を堪能し、お目当のハートを見つけることの出来た凛はご満悦だった。


旅館の部屋に戻ると、既に布団が敷かれていた。


結婚を控えた男女ならば、その光景を見て起こす行動はただひとつのようにも思えるが、凛と麻耶が起こした行動は違う。


「なんかおなかすいたよね」


という凛の一言から、2人は腹ごしらえのため、夜の西波止場へと繰り出した。


「さっきあんなに食べたのに」

「ね、ほんとそれ」

「でも俺もまだまだイケる」

「でしょー」


夜の潮風は冷たいけれど、冷たければ冷たいほど、2人は手を強く繋ぎ歩いた。


西波止場に立ち並ぶレンガ倉庫は、暖色にライトアップされていた。


これも先ほど山頂から眺めた宝石のような夜景の一部なんだろうなと凛は思った。


石畳も、レンガも、そこにあるなんてことない白い柵さえも。


全てが美しくて、目に焼き付けるように、ゆっくりと歩いた。















「やだー!どれにしよー!迷うー!!」


先ほどのムードからは一変、倉庫街の中にあるビアホールに入ると、凛はメニューを眺め目を輝かせた。


「全部飲もう」


なかなか決まらない凛に麻耶がそう言うと、凛はニンマリと笑った。


互いにシェアしながら飲もうということで、地ビールを数種類頼んだ。


あとはハーブ入りウインナー。


「レモンハーブとかって、美味しい予感しかない…」


想像しただけで今にも涎が溢れそうになる凛を見て、麻耶は笑った。


パシャ


「え!今私絶対変な顔してた!」


麻耶がいきなり、凛の顔をスマホのカメラで撮影する。


「大丈夫」

「嘘〜だってボーッとしてたし!」

「可愛いよ」


お世辞なのか、それとも。


どちらにせよその台詞は凛の頬を紅く染める。


「…ツーショットも、撮りたいなー、とかって」

「え?」

「や、やっぱいい。今のなし」


今度は麻耶が頬を紅く染める。


そんな初々しい2人のもとに、ジュージューとした音と湯気を立てたウインナーが運ばれてきた。


並々と注がれたビールジョッキも。


「きゃー!」


歓喜の声をあげる凛にまた、麻耶は笑った。
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