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初花凛々
第45章 君影草〜鈴蘭
「別にお腹出てるくらい気にしないよ」

「しっ!声が大きい!」


そう、凛は先ほどからたらふく飲んで食べて、それによるぽっこりおなかを気にしていたのだ。


「マジで気にしないから」

「……ほんと?」

「うん。それに、例え風呂に入らなくたって、どうせあとからバレるよ」


それってどういうこと


聞く間もなく、ようやく抵抗をやめた凛を麻耶は抱きしめた。


「……やっと大人しくなった」


こんな時凛は、普段はまるで感じないけれど、麻耶はやはり自分より歳上なのだなぁと思う。


それはもしかしたら、歳の差というよりも"包容力"というものかもしれないけれど。


そこまで深く考えていない凛は、麻耶の腕の中で大人しくしていた。


「……麻耶、お風呂は……」

「入るよ」


言いながらも、交わされる口付け。


2人きりでの旅行とはいえ、普段互いの家で過ごすときよりも触れられる時間は少ない。


食欲全開の凛だったけれど、麻耶の口付けにより身体の奥底に火が灯される。


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