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初花凛々
第45章 君影草〜鈴蘭
火照る身体を持て余す。


どれくらい口付けを交わしていたのかわからないけれど、いつまでもこうしていたら夜が明けてしまう。


口付けだけで夜が明けるのも悪くないと思うけれど、それだけじゃ物足りない凛も確かにそこにいる。


麻耶は口付けしながら、凛の衣服を脱がせてゆく。


それはとてもスムーズで、感心するほどに。


凛も真似して、麻耶の衣服に手をかける。


……が、どうやって脱がせたらいいのかがわからない。


「ぶぶっ」

「えっ、なに?」

「一生懸命すぎて」


_____可愛い


そう麻耶は呟いて、それと同時に凛の手を引き、露天風呂へ誘う。


先ほどまで恥ずかしがっていた凛も、口付けされるうちにそんなものはどうでもよくなった。


今は、この溢れ出る欲望をどうにかしたい、ただそれだけ。


客室露天風呂の手前に、僅かなシャワースペースがあった。


小さなダウンライトだけが灯るその場所は、まるで恋人のために設置されているようだと思うほどに素敵な空間だった。


麻耶は凛の身体を守っている下着を剥ぎ取ると、自身は一思いに衣服を脱ぎ捨てた。


シャワーを浴びながらも、絶えず交わされる口付け。


2人は惜しむように、飽きることなく互いの唇を求めた。
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