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初花凛々
第46章 立夏
プロポーズの言葉は?どんなシチュエーションで?
など、新山の質問攻めに凛は笑った。


そうしているうちに、ふわふわのオムライスが運ばれて来た。


新山はホワイトクリームのオムライス、凛はシーフードオムライス。お互いのオムライスを一口ずつ交換して、ランチを楽しんだ。


食後のコーヒーを飲み終える頃に、「くるちゃん先輩に、私も聞いて欲しい事があるんです」と、少しだけ真剣な顔で、新山が言った。


「なに?」


新山が真剣な顔をしていたから、凛も僅かに姿勢を整える。


「…私も、結婚しようって言われてるんです…」


そう、新山には現在、お付き合いをしている男性がいる。
瀬名と離れ、地元に帰ってからのこと。


お付き合いをしてまだ3ヶ月ほどだが、新山はプロポーズを受けるつもりだ、と言った。


「…瀬名さんのときは、好きで好きで、どうしようもなくて、苦しかった。けど、今は違うんです。一緒にいると安心して、ほっとするんです」


実際のところ、新山はまだ瀬名のことは忘れていない、とも言った。けれども、いまの彼と結婚しようと思っている、と。


「瀬名さんのことは、一生忘れない。けど、思い切り恋愛したから、後悔もないんです。」


忘れられない恋。


それを経験したから、大きく羽ばたけるのかも。


幸せそうに笑う新山の顔を見ることができて、凛は心から嬉しかった。


そのあと2人は、ショッピングをして、バーにも寄った。
お酒も入り、それはそれは盛り上がった。





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