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初花凛々
第7章 風薫る
バーベキューも終わり、それぞれシャワーを浴びた。


「あれ?椿どこ行った?」

「さぁ?」


気付いたら、椿と悠介の姿がなかった。


「お忍びデートかなぁ……」


凛が呟くと、「かもな」と、須田も同意した。
















「……くるちゃん、ちょっと来て」

「ん?」


悠介と椿が戻ってきたところで、須田に呼ばれ凛は外へ出た。


「えっ、どこ行くの!?」


訳がわからない凛。須田は暗闇の中、草をかき分けズンズン進んで行く。


「ま、待って…見えないよ〜」

「くるちゃん」


須田に手を引かれる。


「手繋ぎセカンドも貰っちゃった、わりーね」

「別に謝らなくても……」

「今、いいことあるから。許して」


何も見えない暗闇の中、須田の手は迷惑どころか有難かった。


しばらく進むと、急に視界は開けた。


……するとそこには、西嶋がいた。


「やべ、見つかった」


西嶋は一人、星空を眺めながら煙草を吸っていた。


「そろそろ禁煙すればー」

「したいとは思ってるんだけど、なかなかね」


凛はこの時、西嶋が愛煙家だということを初めて知った。


「なんだ?お前ら。手なんか繋いじゃって」


西嶋は、繋がれている須田と凛の手を見てツッコミを入れる。


「胡桃沢さん可愛くってさぁ、つい」


須田のフォロー。凛は思った。くるちゃんと呼ぶのは、二人きりの時だけなんだな、と。


「あ、電話だ。もしもーし」


須田はまるで恋愛ドラマの主人公のように、しらじらしく姿を消した。


_____ここは山の中。電波なんかないのに。


凛は可笑しくて、笑みがこぼれた。


須田の演技のおかげで、西嶋と二人きりになった凛。


「ごめん、煙いだろ」

「いえ、全然」


勝手に訪れたのに、気遣う西嶋。


どこまでも優しく、紳士的で。こんな人が私の王子様ならいいのに。凛は心から思った。




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