この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
初花凛々
第9章 金魚草
凛の問いかけに、椎葉はパアッと顔を輝かせた。


「気に入っていただけましたか!?」


実はその金魚鉢、椎葉が初めて手がけた菓子らしい。


「はい。見た目も涼しげで、舌触りも……」


凛が感想を述べ終える前に、椎葉は金魚鉢を数個、凛に押し付けてきた。


「これ、差し上げます!」

「ええ、こんなに!?」

「はい!!」


椎葉は凛に褒められて、よっぽど嬉しかったのだろう。金魚鉢を数個、凛に手渡した。サービスだと、一言付け加えて。


_____麻耶、喜ぶかな?


凛の頭には、羊羹を初めて食べたと言う麻耶の顔が浮かんでいた。


凛は金魚鉢が入れられた袋を大切に抱きかかえて、勿忘草をあとにした。


















「凛」


勿忘草からの帰り道、アパートの近くで麻耶と会った。


_____あ、二人きりのときは凛なんだ……


この時も、やはり凛は子宮の上辺りに痛みが走った。


「凛さぁ、会社での俺の呼び方おかしくない?」

「え?」


身に覚えのない指摘をされ、凛は頭をひねった。


「マスダって誰やねん」

「マスダ?」

「まっ……すだくん!って呼ぶじゃん」


麻耶は思い出しケラケラと笑った。


そう、凛は今日、麻耶のことをマスダと呼んだ。


「麻耶って言いかけて、やめたでしょ?」

「……だって」


_____麻耶が名前で呼んでくれないのに、私だけ呼ぶのも可笑しいじゃない。


凛はそう思い、麻耶と言いかけて、須田と言い直していた。


「マスダってよ〜」

「もう、笑いすぎ」

「おかし〜」


涙を流しそうなほど、麻耶は笑った。


笑っていたら、あっという間に凛のアパートへ到着した。
/452ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ