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初花凛々
第9章 金魚草
麻耶を部屋に上げたのはいいが、お米を切らしていることを思い出し、急いで米を買いに行くことにした。
「待って」
そんな凛を、麻耶が引き止める。
「今日は俺が作るから」
「へ?」
何言ってんの?そんな目線を麻耶に向ける凛。そんな凛の思いを読んだ麻耶が、「まぁ見ててよ」と言う。
先ほどまでは気付かなかったが、麻耶は片手にスーパーの袋を持っていた。
その中からは、人参、玉ねぎ、じゃがいもがゴロゴロと出てきた。
それを見て、メニューはカレーかな?と凛は思った。
「……でもさ、カレーならやっぱ米は必要じゃない?」
「それもそうだな」
それに、カレーに入れる豚肉を買い忘れたらしい麻耶。二人は近所のスーパーへ行くことにした。
「このお酒、美味しいらしいよ」
「どれ?」
お酒のコーナーにて、脱線する二人。あぁでもない、こうでもないと言いながら、時間が過ぎてゆく。
「あ、これ」
「ん?」
麻耶に言われそちらを見ると、麻耶が可愛らしい桃色の瓶を手にしている。
「見て、凛って名前のお酒」
「ほんとだ!初めて見た」
「ゆず梅酒だって」
「美味しそう!」
「飲んでみる?」
「うん!」
凛はゆず酒も梅酒も飲んだことはないけれど、可愛らしい見た目のその瓶と、自分と同じ名のその酒を飲んでみたいと思った。
普段は芋焼酎しか見ない凛。けれどこうして売り場をぐるりと見渡すと、様々なお酒があって面白いと思った。
牛乳で割る抹茶のお酒や、ヨーグルト風味のもの。サングリアの味を再現したものまで、様々だ。パッケージもカラフルなものばかりで、見ているだけでも楽しめる。
「凛?」
くるくると見渡していると、ふと、名を呼ばれた。その声に振り向く。凛を名前で呼ぶ男性_____
「_____工藤くん…」
「やっぱり。凛だ」
そこに立っていたのは、凛の高校時代の同級生、工藤圭吾。
「仕事帰り?」
上下揃いの薄緑色をした服を着ている圭吾を見て、凛はそう問いかけた。
「うん。凛はもしかして……」
_____デート?
圭吾は、クスッと笑いながら聞いてきた。
「待って」
そんな凛を、麻耶が引き止める。
「今日は俺が作るから」
「へ?」
何言ってんの?そんな目線を麻耶に向ける凛。そんな凛の思いを読んだ麻耶が、「まぁ見ててよ」と言う。
先ほどまでは気付かなかったが、麻耶は片手にスーパーの袋を持っていた。
その中からは、人参、玉ねぎ、じゃがいもがゴロゴロと出てきた。
それを見て、メニューはカレーかな?と凛は思った。
「……でもさ、カレーならやっぱ米は必要じゃない?」
「それもそうだな」
それに、カレーに入れる豚肉を買い忘れたらしい麻耶。二人は近所のスーパーへ行くことにした。
「このお酒、美味しいらしいよ」
「どれ?」
お酒のコーナーにて、脱線する二人。あぁでもない、こうでもないと言いながら、時間が過ぎてゆく。
「あ、これ」
「ん?」
麻耶に言われそちらを見ると、麻耶が可愛らしい桃色の瓶を手にしている。
「見て、凛って名前のお酒」
「ほんとだ!初めて見た」
「ゆず梅酒だって」
「美味しそう!」
「飲んでみる?」
「うん!」
凛はゆず酒も梅酒も飲んだことはないけれど、可愛らしい見た目のその瓶と、自分と同じ名のその酒を飲んでみたいと思った。
普段は芋焼酎しか見ない凛。けれどこうして売り場をぐるりと見渡すと、様々なお酒があって面白いと思った。
牛乳で割る抹茶のお酒や、ヨーグルト風味のもの。サングリアの味を再現したものまで、様々だ。パッケージもカラフルなものばかりで、見ているだけでも楽しめる。
「凛?」
くるくると見渡していると、ふと、名を呼ばれた。その声に振り向く。凛を名前で呼ぶ男性_____
「_____工藤くん…」
「やっぱり。凛だ」
そこに立っていたのは、凛の高校時代の同級生、工藤圭吾。
「仕事帰り?」
上下揃いの薄緑色をした服を着ている圭吾を見て、凛はそう問いかけた。
「うん。凛はもしかして……」
_____デート?
圭吾は、クスッと笑いながら聞いてきた。