この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
初花凛々
第11章 夏めく
_____今、何時だろう……
ザアザアと雨の音で目が覚めた凛。昨夜は麻耶の腕の中で眠ったはずなのに、目覚めると隣には麻耶がいなかった。
カーテンが開いている窓からは、ぼんやりと朝を迎えた様子が見えた。窓にぶつかる雨の雫。やはり雨が降っているのを確認してから、ふと部屋を見渡した。
麻耶は、床に寝転がって眠っていた。
_____もしかして、ベッドから落ちたのかな?
昨日はシングルベッドに二人で眠ったから、もしかしたら狭くて落ちたのかもと凛は思いながら、床に転がる麻耶にタオルケットをかけた。
_____やっぱり睫毛長い。
凛は麻耶の寝顔をみつめながら、さすがは女たらしと揶揄されるだけあるな、と凛は思った。
長い睫毛に、男なのに白い肌。唇は荒れ知らずという感じでプルプルとした桃色。スッと通った鼻筋_____
目を瞑っていても、整っている顔立ち。
以前は苦手だと思っていた麻耶の容姿も、今では素敵な部分として捉えているのが可笑しくて、凛は思わず笑みが溢れた。
「人の寝顔見て笑ってんじゃねー」
「きゃっ」
寝ていたはずの麻耶は、凛の手首を掴み引っ張った。その弾みでバランスを崩した凛は、麻耶の側によろめき、転んだ。
「何笑ってんの」
「麻耶、寝相悪いなって」
「……違うし」
「わかってる。私が場所取っちゃったんでしょう?ごめんね?」
「……別にいいよ。俺が泊まれって言ったしね」
そう言い残し、麻耶はバスルームへと消えた。
ザアザアと雨の音で目が覚めた凛。昨夜は麻耶の腕の中で眠ったはずなのに、目覚めると隣には麻耶がいなかった。
カーテンが開いている窓からは、ぼんやりと朝を迎えた様子が見えた。窓にぶつかる雨の雫。やはり雨が降っているのを確認してから、ふと部屋を見渡した。
麻耶は、床に寝転がって眠っていた。
_____もしかして、ベッドから落ちたのかな?
昨日はシングルベッドに二人で眠ったから、もしかしたら狭くて落ちたのかもと凛は思いながら、床に転がる麻耶にタオルケットをかけた。
_____やっぱり睫毛長い。
凛は麻耶の寝顔をみつめながら、さすがは女たらしと揶揄されるだけあるな、と凛は思った。
長い睫毛に、男なのに白い肌。唇は荒れ知らずという感じでプルプルとした桃色。スッと通った鼻筋_____
目を瞑っていても、整っている顔立ち。
以前は苦手だと思っていた麻耶の容姿も、今では素敵な部分として捉えているのが可笑しくて、凛は思わず笑みが溢れた。
「人の寝顔見て笑ってんじゃねー」
「きゃっ」
寝ていたはずの麻耶は、凛の手首を掴み引っ張った。その弾みでバランスを崩した凛は、麻耶の側によろめき、転んだ。
「何笑ってんの」
「麻耶、寝相悪いなって」
「……違うし」
「わかってる。私が場所取っちゃったんでしょう?ごめんね?」
「……別にいいよ。俺が泊まれって言ったしね」
そう言い残し、麻耶はバスルームへと消えた。