この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
妖精王は軍人に奪われる
第3章 淫らに鳴けば
ふと、辺りに漂うラベンダーの香りに
メアは疑問に思った
香付きの蝋燭が灯されているわけでもなく
昨日この部屋に入ったときはなんの
香りもしなかったからだ
きしり、とまた音を立てて起き上がると
アイリスの身体に覆い被さるようにして
さらけ出された首筋に顔を近づける
『……こいつから匂いが漂っているのか』
これも妖精だからか、と思い身体を退かすと
アイリスが目を開いてぼうっとしている
アイリスにはどうして男が覆い被さって
いるのかわからず、思考を始め
そういえば隣の部屋はメア様の部屋
だった…という結論に至り。
「おはよう、アイリス。
よく眠れていたようでなによりだ」
「おはよう…ございます…」
目の前に顔があることに面食らい
細い声で挨拶をする