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妖精王は軍人に奪われる
第1章 残酷な運命
『イタイヨ…』
声に近づいて、アイリスはあることに
気がついた
焦げたような匂いに。
(空気に煙が混じってる…燃えてる!?)
「どうして…!」
足に力を込め、地面を力強く蹴り
大きく飛ぶと、遠くに炎が揺らめいて見えた
火の粉に焦がされ木々達が呻く声と、
微かに人が焦るような声が耳に入る
「もっと水だ!火を消すんだ!」
人がいるのね…とアイリスは苦虫を
噛み潰したような顔をした
(見つけてしまったものは仕方ない、
助けましょう…)
既に肌に熱気を感じながらアイリスは
火元であろう人間の夜営地に足を踏み入れた