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妖精王は軍人に奪われる
第3章 淫らに鳴けば
記憶と違わぬ仕草にメアは苛ついて
眉根を寄せる
『あいつはあいつ こいつはこいつだ…』
自身に言い聞かせるように心の中で
反芻し気を落ち着けたメアは安寧を
求める様にアイリスを抱き、ラベンダーの
香りを腕の中に閉じ込めて眼を閉じた
*****
カチャリ…
ファルコがメアの自室に入ると
主の姿はなかった
しかしそれに驚く様子もなく、廊下から
回りアイリスにあてがわれた部屋を
ノックする
返事はなく、ファルコは頭の中で
挨拶をし扉を開くと
「……ほ」
そこには、アイリスを腕の中に大事そうに
閉じ込めて眠るメアの姿があった
『……ほっほ』
ファルコは心の中で楽しそうに笑うと
起こさないよう静かに扉を閉め
再び長い廊下を歩き主が目覚めるのを
待つのであった…