この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
妖精王は軍人に奪われる
第3章 淫らに鳴けば
(とても暖かい…)
微睡みの中、アイリスは自分を包み込む
存在に頬をすり寄せ安心しきっていた
「……おい」
「……ん~…」
かけられた声に呻き声を漏らし
いやいやをする様にぬくもりに寄り添う
「……ハァ……」
なにやら溜め息のような音が耳に入るも
身体が気だるく、まだまだ寝れると
夢の中へ落ちかけていた…が
「……おい、起きろ お前はいつも
他人を抱き枕にして寝ているのか?」
その言葉が成す意味を少し考えた後
アイリスは目を開けた
「……ふぇっ?」
起きてみれば、あろうことかアイリスは
メアに抱きついて眠っていたのである
「う、あの、ごめんなさい…!」
「詫びる前にこれを退けろ…起き上がれん」
「あ…っ!」
慌てて腕を離して起き上がると
メアもゆっくりと身体を起こし
上体のみで伸びをしている
その様子を見ているとふと疑問が
頭に浮かぶ
(起きるまで…待っていて
くれたのだろうか…?)